八ケ岳の麓の雑木林に囲まれたその家は
建てられてからもう30年近く経っていましたが、
前のオーナーの方に大切にされたせいか
とてもしっかりしていて、
眠りから目を覚ませてくれる人を待っているかのようでした。
手入れの止まった草ぼうぼうの庭。
汚れた白い壁、タンポポが咲いている屋根。
夏なのにここだけ冷蔵庫のようなひんやりした空気。
でも、それがなんだか心地よかった。
DIYなんて縁のない私でしたが、
ゆっくり付き合っていくうちに、
あったかい息を吹き返してくれそうな気がしました。
これまでいろいろな中古物件を見てきたけれど、
すんなり、あ、ここいい。って、
ストンとこころに落ち着いたので、
帰りのクルマのなかでは妻と即決していました。
300万を超える金額の買い物は、人ってもう理屈じゃないんだよ、
そう聞いたことがありますが、
まさにそんな感じでした。
とりあえず東京で仕事を続ける身としては、
週末通いになるとおもうけど、
いずれ移住を目標に、
じっくり自分の大好きなすみかにしていきたいと思います。