週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

モコカフェ

昨日の八ヶ岳はとにかく寒く風が強かった。

夜9時ごろ、僕の携帯の温度計アプリでは

11度だったけど、

場所によっては9度とかになったらしい。

 

あまりに寒いので引き出しから

ユニクロの冬用インナーウェアを引っ張り出し、

羽毛ふとんをかぶって寝ました。

 

今朝起きると、青空が広がり

セミの鳴き声が戻っていました。

 

よかった。

 

夏はまだ終わっていないようです。

 

八ケ岳はパンやカフェの激戦区ともいわれていますが、

出不精の僕は

ほとんどの時間を家で過ごしています。

でもなんだかこ清々しい天気に誘われて

カフェでも開拓しようかな・・・と思い立って、

以前から気になっていたけれど

駐車場がいっぱいなので

ずっと素通りしていたカフェに行ってみました。

 

石堂の交差点から西に400メートルほど行った左側にある、

mocco cafe」(モコカフェ)です。

 

土曜日ですが、お昼を過ぎていたせいか

2台分ほど駐車スペースが空いていました。

 

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ドアを開けて入ると

白木の明るい空間が広がっていて

心地いい音楽が流れていて、

瞬間的にいいお店と思ったのですが、

僕の目をくぎ付けにしたのは、

カウンターの壁に並んでいる

レコードやCD、オーディオ機器でした。

 

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なんと、レコードプレーヤーやオープンリールまである!

LP盤のジャケットが放送局のスタジオのように飾られている!

そしてそのレコードのタイトルを見て

僕の青春時代が堰を切るようにカラーで蘇ってきました。

ビートルズサイモン&ガーファンクル

ビリージョエル、イーグルスブレンダ・リーetc。

ふと聞こえてくる音楽に集中すると、

リビアニュートンジョンとか

エアサプライとか・・・。

 

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お店の人は全部で4人でした。

多分ご家族で経営されていて、

お父さんらしき人がここのオーナーなのでしょう。

家族構成は僕と同じ。

4人の年齢を察するに、

うちよりたぶん少し上の世代の方とお見受けしました。

音楽だって僕がちょうど高校生の頃

夢中になった音楽が中心でしたから。

 

僕はカレーとアイスコーヒーを注文しました。

 

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「ごはんの量はどうされますか?

普通はだいたいお茶碗1杯、約180gぐらいですが・・・」

と聞かれ、

「あ、そんなもんでいいです。」

と答えたら、

「あ、そんなものでよろしいんですね。」

と意外そうな返事でしたので、

多分それはスタイルを気にする

うら若き女性にちょうどいいぐらいの

定食屋でいうところの”少なめ”なんだろうな、

と思っていたら、全然。

サラダのほかに小鉢やプリン、スープもついて、

それほどお腹が空いていなかった僕は、

これ全部食べられないかも・・・と思ったほどでした

 

事実、隣の中年のご夫婦は、

カキフライ定食を食べていましたが、

「こんなに食べられないから、あなたこれ食べて」

「俺もおなかいっぱいだから、じゃあこれお前食べてよ」

みたいな、譲り合いなのか押し付け合いなのかわからない、

よくある会話をしていました。

 

このカレーは850円。

ランチには+150円で飲み物がつけられるので、

アイスコーヒーを頼んだ僕のセットはちょうど1000円でした。

(ちなみにお隣さんが食べていたカキフライ定食は1150円。)

おいしかったあ・・・!

 ターメリック(たぶん)で味付け・色付けしたライスに

有機野菜のサラダがこんもりと添えてある。

カレーはというと、

味つけも辛さもこれ見よがしの主張はなく、

そのおとなしさや優しさのようなものがしみこんでいて、

多分これをまずい、という人は

誰もいないぐらい普遍的ですが、

逆にそれが体にすうっと入って馴染んでいくうまさを感じました。

 

というか、音楽のせいもあったのかな。

 

それ以上に、歳のせいもあったのかな。

 

食後のアイスコーヒーを飲みながら

テーブルのメニューを見ていたら、ビックリ!

コーヒーにもすごいこだわっていて、

豆はもちろん、

ペーパードリップ、サイフォン、フレンチプレス、

ネルドリップの4つの抽出法から

好きな抽出法を選べるというのです。

 

これはいい!

僕も大学生の時に、一丁前にこだわった記憶があります。

でもそれは、あくまで女の子にモテたい一心でした。

 

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(きれいな店内の様子です)

 

 

郷愁と懐かしさと恥ずかしさに浸っていたら、

マスターが声をかけてくれました。

 

「昨日はとても寒かったですね」

無骨さの微塵もなく、

静かで控えめで優しく語りかけてくる笑顔。

(ああ、カレーのようだ)

山男、海男とは縁遠い容姿。

きっとこの人、

ピュアに音楽やコーヒーを愛し、

僕のような下心のない、

今日の澄んだ青空のような青春時代を送ったんだろうな・・・

と思いました。

 

「そうですね。思わず冬物のパジャマで寝ました」

と僕。

「おととし(2016年)の夏にお店をオープンしたのですが、

今年みたいな暑さはいままでなかったようですよ。」

とマスター。

曰く、まきば公園では八ヶ岳で初めて熱中症で3人倒れた、とか。

「でも、冬も寒かったでしょ?」

と聞いたら、

「マイナス10度以下になるにはひと冬に数回しないのですが、

今年はマイナス15度とかまでなりましたから・・・」

僕も今年の冬には参りました、と笑ったら、

「でも寒いほうがいいですよ。着ればいいんだから。

このままだと八ヶ岳は避暑地じゃなくなっちゃうかもしれませんね」

 

そう言ったところで、マスターは別のお客さんの接客に向かいました。

 

店内には相変わらず、1970~80年代の

ポップスやAORが流れています。

 

マスターがもう一度僕の席の近くに来たら

音楽の話をしようと思っていたのですが、

結局そのあとは接客に追われ、

マスターは来ませんでした。

 

1時間ほど過ごし、店を出ようとお会計の所に行ったら、

マスターがでてきました。

「おいしかったです。音楽も大好きです。また来ますね」

といったら、

「朝9時からやってますので、モーニング食べに来てください」

と、カレーのような笑顔で答えてくれました。

 

また来よう、と心から思いました。

今度はゆっくり音楽の話でもしましょう、マスター。