月曜日から東京で仕事をしています。
明日の金曜、
台風一過とともに
八ケ岳を目指そうと思っています。
八ケ岳に行くときに持って行くかどうか
悩んでしまうのが、
これです。
アコギと猫です。
プロフィールでも書いているのですが、
雑木林に囲まれた山小屋で
薪ストーブの揺れる炎を眺めながら
僕のへたくそなギターを
猫に聞いてもらうのが夢です。
でも簡単なことのように思えてなかなか毎回実現しません。
まずはギターについて。
僕にとっては清水の舞台から飛び降りるような気持ちで
買ったギターです。
値段の話だけではありません。
小遣いをためてギターを買い、
(たぶん1万円しなかったと思います)
フォークソングの「フ」の字ぐらいは練習したものの
それっきりパタリと弾かなくなってしまった
飽きやすい僕に、
かつ、会社に入って友達に安く譲るよと言われ、
ただ”フェンダーのストラト”(ブランドと形のことです)というだけで
衝動的に6万円で買って
ずっと飾っておくような僕に、
またギターを買って本当に弾くのかどうか、
というのが自分にもわからなかったからです。
買うか買わないか、
買うに値するかしないか揺れながらも、
まずはいろいろなお店に行って、
いろいろなギターを弾き比べました。
最初は30万ぐらいは出さないと
いい音のギターを買えないと思っていたのですが、
値段と音の良さは
必ずしも比例しないことに気がつきました。
そうして遂に出会ったのが
この「Headway」というブランドのアコギです。
松本の方に工場がある国産のギターです。
隣にあったギブソンのアコギと弾き比べ、
ギブソンのギターはやっぱりいい音だ、
と思いこもうとしていた自分に気がつきました。
先入観を取り払ったら、
この「Headway」には鈴のようにシャリーンといういい音が出ていた。
というか、自分が好きな音質だったのかもしれません。
それが、15万しない。
それまで聞いたことのなかった初めて聞く名前と音色に
心を揺さぶられてしまったのです。
あれから3年ほどたとうとしています。
また部屋のインテリアになってしまったかというと
そうではありません。
しょっちゅう弾いています。
弦もおよそ3か月ごとに替えていますし、
そのたびに磨いてます。
そしてまたキラキラの音を出してくれるたびに、
新しい曲を覚えようとしています。
よく練習するのは、
大好きな「BUMP OF CHICKEN」(通称:バンプ)です。
(1年前に前にいた会社の同期と飲んだとき、
俺、バンプが好きなんだ、と言ったら、
え?ダ・バンプ好きなんだ?と聞き返され、
自分はまだ若いかも、と少しうれしかった記憶があります)
自分のテクニックを披露しつつ
コード進行や指の動きを動画でアップしてくれているので、
もう中学生の頃とは段違いで練習しやすい環境にあります。
なぜか、好きなだけ弾いた夜など、
ぐっすり眠れたりするので、
不眠症の僕には一石二鳥です。
じゃあ、なぜ八ヶ岳に持って行かないか、というとですね、
荷物がかさばるんです。
(情けない・・・)
さらに、持って行ったとすると
八ケ岳で弾くギターは本当にいい音で鳴ってくれるので
また来るときのために
今度は置いていこうとしてしまいます。
でも、ギターは木で出来ていて、
湿度に敏感です。
湿度が高いと木が水分を吸って
膨らんだりネックが曲がったりしてしまいます。
一方で乾燥しすぎると木が縮んで
割れたりしてしまうことがあるのです。
とてもデリケートな生き物なので
つかず離れず管理しなきゃ、って思うと、
つい持って行きそびれてしまうのです。
そんでもって、猫です。
うちには2匹います。
こっちが「とら」で、
こっちが「こた」です。
この7月で3歳になったマンチカンの兄弟です。
実は二匹とも心臓肥大という先天性の病気を持っています。
2年前の夏、とらがぐったりしてとても呼吸が早いのを見て、
ちょっと様子が変だから、念のため病院に連れて行くか・・・
ぐらいな気持ちで行ったら、
肺水腫(肺に水が溜まっている状態)を起こしていて
放っておいたら2,3日で死んでしまったそうです。
それからしばらく病院で入院治療し、
命こそとりとめましたが、
療養食とセミントラという腎臓の薬は毎日欠かせません。
先天性ってことは、
ひょっとしてこたの方も・・・?!
と思って、
追うようにして病院に連れていったら、
案の定こたも心臓肥大でした。
肺水腫にはなっていませんが、油断禁物で
こちらも療養食を食べています。
心臓肥大というのは、
心臓の壁が年老いた老人のように
固く厚くなってしまっていて、
ポンプの役目が弱くなっている状態です。
ですので、激しい運動や
興奮させたりすることが一番危険なことです。
”猫は家に着く”という言葉があるように、
犬と違って
クルマに乗せて移動させたり
部屋の環境が変ったりするのをいやがります。
中には平気な猫もいますし、
結構周りの友人はあちこち連れて行ったりしているようですが、
うちの2匹はそんなわけで家からなかなか出せないのです。
この2匹のリンリンランラン輝く
好奇心たっぷりの瞳に、
八ケ岳の景色を映してあげたいと
心から思うのですが・・・。
多分行けるときがあるとすると、
僕と妻がそろって八ヶ岳に完全移住する、
と決めたときだと思います。
人間も、とらもこたも、
もう八ヶ岳の住民になるときです。
明日家を出るとき、
二匹は玄関まで追ってきて
ニャーニャー鳴くでしょう。
出ちゃだめだよ、と言って閉めたドア向こうでは、
「もっといろんな世界を知りたいよ」
と、二匹が訴えているのですが、
いつも、ごめん、すぐ戻るからね、
と言って八ヶ岳を目指してしまうのです。