週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

元気が出る二地域居住

僕は、

いわゆるマーケティングとかブランディングとか、

コミュニケーションデザインとかを生業にしているのですが、

いずれの言葉も好きではありません。

(自分からマーケッターですとか、

コミュニケーションデザインナーです、とかいう人が

結構苦手でして・・・)

 

なぜ嫌いかというと、

世の中の流行や人の心理や行動を

あたかもあやつり読めるかのような

頭良さげな上から目線な感じがするからです。

 

そんなことできたら神様だよ!

だったら働かなくてもいいぐらい儲かってるはずだろ?

そう思ってしまいます。

 

じゃあ自分はなぜそんな仕事を続けているのかというと

何かを伝えたりする仕事というのは

誰かをどこかで元気にしているからだと信じているからです。

もっと言ってしまえば、

自分はラブレターの配達人だ、ぐらいに思っています。

 

だから、売らんがための

あることないことをきれいに美しく飾ったり、

たくさんの人を「わっ!」といってビックリさせて

振り向かせるような広告は大嫌いです。

(バブル時代はそんなんばかり。今思うと恥ずかしい・・・)

ひとりでもいいので

その人の心の深いところに届いて、

その人があったかくなれるように、

情報を研ぎ澄ませて

(あるいは言葉や映像などの手紙にして)

伝えられる配達人でありたいと思っています。

 

一応、そんなポリシーらしきものを持ってやっているのですが、

なにせ時間に追われる世界です。

そもそも田舎生まれ・田舎育ちの僕にとって

人間関係からくるストレスは半端ないです。

だから歳をとるにつれて自然の中で

静かにのんびり暮らしたい、

という欲求も強くなって、

八ケ岳にセカンドハウスを買った、

というのも二地域居住の一つの理由です。

 

東京=ビジネス→人間関係→ストレス。

八ケ岳=休暇→自然→癒し。

 

俗に誰もが考える

そんな構図があって

やっぱり週末ハウスあるっていうのはいいなあ、

と思うのですが、

しかし・・・。

一見対極にあるように見えるこの両者ですが、

実は深いところで一つだけ共通点があるのです。

 

それは、「刺激」(元気)です。

 

昨日はとあるプロジェクトでかかわっている

アイドルユニットのプロモーションのために、

(意外にもそんなこともやってたりします)

VR(バーチャルリアリティ)や

AR(オーギュメントリアリティ=拡張現実)、

デジタルサイネージなどの

先端技術体験のツアコンをやったのですが、

まだ10代中盤から後半ぐらいの彼女たちは

すべてにおいて興味津々です。

先端技術にキャーキャー言って

時間を忘れるように楽しんでいます。

僕はというと、

技術的な構造とか

これをライブイベントに活かせないか、とか、

仕事ということもあって

そんな事ばかり考えてしまうのですが、

自分の娘よりも若い彼女たちの

汗をかいてまではしゃぐ姿を見ていたら、

なんだかとても元気が出てきて、

この子たちがもっと活躍できるように、

もう少し頑張らんと!

などと気合が入ってしまった次第です。

 

あまりに単純なのですが、

やっぱり若い人の楽しんでいる姿、というのには、

元気をもらえます。

 

例えばテレビ番組などで

高齢者ばかりの過疎の集落に、

60歳ぐらいの仕事をリタイアした夫婦が

移住したりすると、

おじいちゃんやおばあちゃんが

「若い人に来てもらってすごくうれしい!」

と言って喜んでいるインタビューなどがよく流れ、

そのたびに60歳でも若いのかなあ・・・

と思ってしまうのですが、

考えてみればおじいちゃん、おばあちゃんにしてみれば

20歳若かったら子供と同じ年代です。

ひょっとしてそれと同じ気持ちなのかもしれません。 

 

 一方で八ヶ岳に行くと

若い人などほとんど見かけませんが、

庭の雑木林や周囲の森の中から聞こえる

いろいろな生き物の鳴き声や気配に

元気がよみがえってきます。

それはアイドルの子たちからもらう元気とは

環境は違えど同じです。

 

昆虫や動物しかり、人間に至るまで、

命を謳歌している姿には

同じ命あるものとして

どこかで響き合っているような気がします。

それは命を未来へ託したいという、

生き物の本能的な感情なのかもしれません。

 

八ケ岳から東京に戻るとき、

憂鬱な気分になるのですが、

東京に着いて

若者でごったがえする新宿の駅前などを通ると

八ケ岳のときとは別のスイッチが入り

やる気になることがあります。

リフレッシュというのは

そういう行ったり来たりにこそその本質があるのかもしれません。

 

一生東京で過ごすことはできない、

いずれ自然の中で・・・。

そう思う反面、

一生八ヶ岳の人になれるかというと

まだすっきり結論を出せない自分がいます。

しばらくは行ったり来たりを続けるのがちょうどいいのかも。

二地域居住というのは

その過渡期にある過程かもしれませんが、

自分の未来と向き合い

自分の本当の楽しさや喜び、幸せに気づかせてくれる

すばらしいライフスタイルだと思います。

 

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※東京では横断歩道は人が渡る場所。
八ケ岳では横断歩道は動物が渡る場所です。