週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

六本木ナイト

昨日の夜は

仕事仲間と3人で久しぶりに六本木で

お酒を飲みました。

六本木で飲むなんて

ちょ~~~久しぶりでした。

 

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こんな女の人いたっけ?

 

この交差点に立つたびに思い出します。

24年前、生まれて初めて六本木に立ったときのことを。

 

会社の内定者が集まって

内定者パーティーが六本木で企画されました。

「ガールフレンド同伴」が条件で

学生ごときが一戸建てのフレンチレストランを借り切る、という、

今思えば吐き気を通り越して笑っちゃうような、

バブリーなパーティーでした。

僕は地方出身で大学も地方だったので

東京をほとんど知りません。

大学内で東京出身の女の子を友達に紹介してもらい、

交通費も食事代も僕が持つので

ついてきて欲しいと言って、

無理やり付き添ってもらいました。

エスコートすべきは僕ですが、

まるで手を引かれてついていく子供のようでした。

 

地下鉄日比谷線の六本木駅から

もぐらのように地上に顔を出した僕は

夜のネオンのあまりの明るさに

目がつぶれそうでした。

 

さあ、どっちに歩けばいいのかな、

とポケットをまさぐったら、

持ってきたはずのお店の地図がありません!

(当時は携帯電話なんぞないので

紙の地図だけが頼りです)

どうやら忘れてしまったのでした。

でも、誰かに聞けばわかるだろう、と思い、

目の前でトラックから酒をお店に卸していた

酒屋のおじさんらしき人に、

「すみません、●●●ってお店に行きたいんですけど・・・」

って聞いたら、

目を丸くしてしばらく絶句したあと、

「兄ちゃん、バカだけどラッキーだね。

こんなに店があるのに店の名前言われても

普通わからねえよ。

でも、そこはたまたまうちが酒を卸している店で

知っているから、よかったようなものの・・・」

と言って紙に書いて教えてくれました。

 

奇跡的に会場に到着することができ、

どんな話をしたかとか

どんな料理を食べたかなんか

すっかり忘れてしまいましたが、

一緒についてきてくれた女の子に

恥をかかずにすんだ安堵感だけが

記憶に残っています。

初めてのおつかい以下でした・・・。

 

あのときの六本木と比べたら

お店の数は半分以下になっているのではないでしょうか。

多分地図や携帯を持っていなくても、

酒屋さんならきっとどこでも

知っているのではないかと思うぐらいです。

 

さて、今日のお店は

交差点の近くにあってちょっと隠れ家的な

黒猫夜」という中華料理屋さんです。

ここは銀座にもお店があって行ったことがあるのですが、

様々な種類の紹興酒と

食べたことのないような中華料理が

とてもおいしいお店です。

 

席についてまず注文したのが

16種類の紹興酒飲み比べられるセットです。

 

見た目は圧巻!六本木らしくバブリーです。

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写真の左から右に行くにつれて辛口から甘口になります。

真ん中あたりにどこかの珍しい地酒とか

モンゴルの紹興酒とかあって、

名前が書いてあるのですがわかる(読める)はずもなく、

3人で次から次へと好きな色を選んでいきました。

 

そして料理です。

いくつか注文したのですが、

いろいろな意味でショックだったのが

この鴨の舌の炒め物でした。

(なんて料理かは忘れました)

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写真ではわからないのですが、

鴨の舌から喉のあたりまでがつながっていて、

それが6~7本(つまり6~7匹分)あるのです。

つまんでみたら確かにそれらしき形をしている・・・💦

 

何も考えないように目をつぶって齧ったら

これが驚くほどうまい!!

小さい部位ですが

肉の部分もあればコリコリと軟骨のような部分もあり、

噛むほどに美味。

酒が進む進む・・・。

 

実は今日3人で集まったのは、

3人のうちの一人のデザイナーのH君、

お守り収集家として知る人ぞ知る人間なのですが、

10日ほどお守りの展示のイベントで

台湾に行っており、

その報告会がメインでした。

その報告会にふさわしい場として

選びぬかれたお店でした。

そしてこの鴨の舌の料理は

彼が台湾で食べた中で一番感動した料理だったのことです。

 

彼の台湾初体験エピソードに

話も弾む弾む!

16杯の紹興酒はあっという間になくなり、

気がついたら僕は

サワーを2杯も追加していました。

 

そうしてお店を出たら

もう11:30。

11:30といえば

24年前は朝の新宿駅のようで、

まるで沿道でマラソン選手に旗を振って応援するかのように

多くのサラリーマンがタクシー券を振っていましたが、

もうそんな風景はみじんもありません。

強めの秋風に吹かれて少し歩いたあと、

手を振ったら即座に止まってくれたタクシーに乗って

夜の六本木を後にしました。

 

タクシーの中で、僕の頭の中では、

いつの間にかアンルイスの

「六本木心中」がリフレインしていましたが、

そのタイトルの意味というか、

それに込められた情景とか情熱とか、

多分僕の子供たちにはわからないんでしょうね。