週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

倒木をチェンソーする醍醐味

この夏の台風の影響で

八ケ岳もたくさんの被害が出ました。

八ケ岳高原ラインでは

大雨による道路の陥没もあり

いまだに通行止めになっていますが、

あちこちで目にする被害といえば

倒木です。

僕の家の庭でも若干2本の木が倒れましたが

近所でもたくさんの倒木が見られます。

 

特に、赤松です。

 

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ご近所の方々と話すと

皆さん偶然にも家の方に倒れなかったようで

不幸中の幸いだと言っています。

 

でも、この倒木を処理する人がいません。

地主さんもご近所さんも

倒れた木を処理してもらえたらうれしい、

という話を聞き、

昨日、おとといと、

息子を連れて八ヶ岳に行き、

倒木の処理を手伝ってきました。

 

息子は海外から帰国したばかりで、

人生初の八ヶ岳です。

ただの観光と思いきや、

人生初のチェンソー体験までさせられる始末。

 

不満たらたらかと思ったら

意外にそうでもなく、

むしろ山相手の男くさい作業が

新鮮だったようで、

「おもしれ~」を連発して、

夢中になってチェンソーで倒木を

輪切りにしていました。

 

切るのは赤松がほとんどでしたが、

たまにヒノキなどもありました。

ヒノキを切るときは

ヒノキ独特の芳香が出ます。

「あ、いい匂い。これヒノキじゃね?」

生まれも育ちの東京の息子から

こんな言葉が発せられるとは

思いもよらなかったです。

 

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(ちょっとへっぴり腰ですが

このあとあっという間に慣れていきました!)

 

山中にとどろくチェンソーの爆音。

一息つこうとしてスイッチを切ると、

凍てついたような静けさが広がります。

「おお、うまく切れたな」

「いや~、左腕がしびれてくるわ」

そんなたわいもない会話が

防音スタジオにいるかのように

山の中に吸い込まれていきます。

 

山の中を行ったり来たりし、

途中でチェンソーにオイルやガソリンを入れたりし、

休みながら木を切ること

およそ2時間。

レガシーの荷室いっぱいになる程度の

丸太ができました。

 

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この丸太はいただいていって

薪にしたいと思います。

 

十分に乾燥が必要なので

燃やされるのは早くて次回の冬でしょう。

次回の冬は

この薪で暖をとることができると思うと

倒木もありがたい資源です。

 

自然と人間の共存とは

危険こそあれど

何と無駄のないことなのか。

何と幸福なことなのか。

何と永遠のことなのか。

 

その夜息子に、

どうだ、八ヶ岳の暮らしは?

と聞いたら、

肉体労働って気持ちいいね、

でも、暗くてひとりじゃちょっと怖い、

と返ってきました。

 

本人曰く、

以前に小屋を借りていた

田園が広がるなかに農家が点在する

日本ならではの里山風景が

自分は一番好きだとか。

「八ケ岳はガチだね、

ちょっと俺にはガチすぎるかも・・・」

 

その気持ちも良くわかる。

まあ、少しずつ慣れ親しんでいって

日本のダイバーシティを体験して欲しい思いました。