息子が初めて八ヶ岳に来て、
チェンソー作業をやってくれたので、
お礼にうまいもの食べに
ドライブに行くことに。
以前から諏訪湖近辺はうなぎで有名、
と聞いていましたが、
おさいふのことを考えると
よっぽどのことがない限り
なかなかうなぎまで行きつきません。
が、しかし。
息子のチェンソー作業の姿は
想像を超えたよっぽどのことでした。
ようし!今日は大盤振る舞いだ!
二人でうなぎを食べに
諏訪湖までクルマを飛ばしました。
お目当てのお店は、
「御うな 小松屋」という
諏訪湖のほとり、
岡谷市の市内にある、
創業大正5年という老舗です。
実は朝、
地元のおいしいパンで腹を満たしてしまった息子は、
うなぎは好きだけどお腹いっぱいなので
ちょっと食べればいいかな、
などとほざいていましたが、
立派な店構えに、
おお~すげー!
店内に入ってその高級感に、
おお~やべー!
そうして席に着くと
店内に染み付いた
何とも言えない香ばしい匂いに、
おお~腹減った~!!
なんて現金なやつなんじゃ!
そして注文したのは
息子が「うな丼」、
僕は「うな重」です。
どちらも3800円、
内容は全く同じで
違いはというと
ドンブリとお重という
入れ物の違いだけです。
注文して間もなく
お通しが来ました。
手前はイナゴの佃煮です。
僕は小さい頃福島の田舎での夏の手伝いというと
田んぼでのイナゴ取りでした。
イナゴを取ってきて
バネのような後ろ足を取るのが仕事です。
後ろ足のない大量のイナゴが佃煮になって
食卓の上には3食イナゴが乗っていました。
それを気持ち悪いなどとまったく思っていませんでした。
が。
この話を会社時代に同じ部の若い女性にしたら
ドン引きされたことがありました。
ですので、息子もイナゴは無理かな・・・
と思ったら、これうまいね!
と言ってパクパク食べていました。
(僕の遺伝子を継いだのかもしれない💦)
そうしてしばらくして
うな丼とうな重がやってきました。
この照り。
この匂い。
時折スーパーで買ってくる
1280円の冷凍のうなぎとは
見た目から違います。
箸で割いて口に入れると、
ぷるっとした食感と
脂ののった甘辛だれが
これまた市販の冷凍のそれとは
まるで別物。
涙が出るほどおいしい~!
やっぱり値段とおいしさは比例しますね。
こころが豊かになるってこういうことなんですね。
50歳も後半に差し掛かる今頃になって
あらためて気づきました。
ところで広告業界にいる僕にとって
一番と言っていいほどお手本にしたキャンーペーンが
「土用の丑の日」です。
土用の丑の日というと
7月から8月にかけての盛夏の時期、
夏バテ対策にはうなぎ、
というイメージが定着していますが、
土用の丑の日というのは
春、夏、秋、冬、
4つの季節の変わり目にあります。
じゃあなぜ夏しか注目しないかというと、
夏バテとかそういうことではなく、
江戸時代、
夏に下がるうなぎの消費に歯止めをかけるために
平賀源内が考えたキャンペーン・コンセプトなんですね。
こういう視点はいまでもたくさん活かされていて、
たとえば11月11日は
「たくあんの日」
「チンアナゴの日」
「立ち飲みの日」
「ネイルの日」
「ポッキー&プリッツの日」・・・
など、31の記念日になっているようですが、
これらほとんどが広告戦略だったりします。
本当はうなぎは冬の寒い時期に脂がのって
一番うまいらしいです。
今となっては極端に獲れなくなったうなぎですが、
完全養殖の技術に期待しつつ
よっぽどのときだと思ったときこそ
遠慮なくうなぎを味わおう。
広告戦略に惑わされず
食べたいとおもったらうなぎを食べよう。
小心者の僕ですが
諏訪湖でちょっと太っ腹になりました。