週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

プレミアムな時空間です、鈍行のグリーン車。

昨日から1泊2日で

福島の実家に行ってきました。

 

行きは家族4人で行って、

お墓参りをして両親に顔を見せ、

日帰りしようとしたのですが、

老々介護し合っている両親の姿が気になって

僕だけ1泊してしました。

 

父親は88歳、母親は85歳です。

二人暮らしをしています。

母は左右の腰を手術しチタンを入れており

杖か車椅子でしか移動ができず、

なおかつ不整脈がひどく

去年心臓弁膜症で手術をしたものの、

ちょと歩いただけで発作が起きたりするので、

歩くのも一仕事で人手がいります。

 

その母を支えているのが父です。

幸いにも元気なので

一生懸命母を介護してくれています。

ただ年齢も年齢なので

足腰がひどく弱り始めたようで、

来週からリハビリに通うことになったようです。

ですので、

食事やトイレ、風呂、買い物以外は

二人ともベットに寝ています。

 

僕は離れて暮らしていますので

毎日心配でなりません。

長男なので何とか面倒を見なくては・・・

という義務感があるのですが、

離れているのでそれができていません。

毎朝のように罪悪感が襲います。

 

毎日のように電話をして

安否を確認すれば安心できるのでしょう。

ですが、

実は僕は両親が苦手です。

両親は過干渉なので

話を始めるといろいろと干渉してきます。

話していると

前に向かって歩こうとしている自分の足首を

地面の底からぬーっと出てきた手が

からみついてくるようで、

気分がいい時ではないと電話できないのです。

 

話したいのに話したくない。

この葛藤が

僕の場合の更年期の心身を荒らす

大きな原因の一つです。

 

それでもこの土日は

話をするどころか会うことができました。

 

今日一人で電車で東京に帰ってきたのですが

帰路はやりとげた充実感と

それ以上の疲労でいっぱいでした。

 

この両親との関係については

あらためて書き留めたい思いますが、

今日はそのことではなく、

そういう更年期のストレスを癒してくれる

僕が発見した時空間をお伝えしたく

ブログを書きます。

 

その時空間とは、

在来線の鈍行の自由席グリーン車

です。

 

在来線の鈍行の自由席グリーン車は、

東北本線、東海道線、高崎線、湘南新宿ライン

などにしか走っていません。

どういう列車かというと、

その名の通り鈍行に連結された

グリーン車輛です。

乗車券にプラスしてグリーン券を買うと

どこの席にも座っていい、というしろものです。

 

指定席ではないので座席は指定できません。

乗車率100%を超えたら座れなくなりますが、

平日のラッシュ時間以外は

だいたいガラガラです。

 

今日は宇都宮で途中下車し、

名物の餃子と缶チューハイとつまみを買って、

そのグリーン車輛で帰ってきました。

 

これがグリーン車です。

 

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一部は1階建てですが

基本2階建ての車輛です。

僕はいつもその2階部に席を陣取ります。

 

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好きな席に座ったら、

駅のホームの機械で記憶させた(買った)

suicaを天井のタッチパネルにタッチさせると

緑のランプに変わり、

ここが事実上の自分の指定席になります。

 

そこから見た2階の内部です。

 

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ご覧のように、というか、

理屈的にも天井が低い。

そのため一般車両にあるような

荷台がないので、

大きな荷物などがあるときは困ります。

 

が、欠点と言えばそれぐらいで、

それ以上にちょっと高いところから見える

車窓の風景は、

鈍行のグリーン車ならではの風景です。

 

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(新幹線は防音壁やトンネルが多いので

2階建ての新幹線でも車窓はつまらない)

 

ゆっくり流れる風景を眺めながら

プシュー!と缶チューハイを空ける喜び。

心の中でお疲れさん、と、

自分に乾杯です。

 

今回は、目的が目的なだけに、

時間があった時に読む本として

大好きな佐伯啓思さんの

『死と生』という新書を持ってきていたのですが、

秋の関東平野の車窓の風景は

その本にも意識を向けさせないほど

美しいものでした。

本を読む以上に

『死と生』についてぼんやりと考えさせる

景色でした。

 

鈍行、関東平野、酒。

酔って目をつぶると

ついさっきまでいた

自力では生きていけなくなりつつある

両親の姿が

瞼の裏に映し出されます。

 

僕は両親の何から逃げようとしていたのか、

両親に期待していたのは何だったのか、

まだまだ整理できない状態ですが、

これまで「もしも死んだら・・・」と

近い将来の話をすると

「なんて縁起の悪いことを言うんだ!」

と怒りだしたのが、

「もう死が近いから、そん時のために

こうしてああして・・・」

とあっけらかんと言い出した両親に

少し驚いたものの

少し救われたような気がして、

ああ、家族を連れて両親に会えてよかった~と、

今日のグリーン車での1時間半の帰路は

780円というグリーン料金ではとうてい買えないほど

心の羽を伸ばすことができた時空間でした。

 

疲れた時、独りになりたい時、

自由になりたい時。

鈍行の自由席グリーン車、おすすめします。