今週も八ヶ岳に行けていません。
来週も行けそうにありません。
八ケ岳、どうしてるかなあ~
などと恋しくなりながら、
過去の写真なんぞをひっくり返して見ていたら、
窓から差し込む朝日に照らされて
湯気が出るほどの焼き立てのパンが
黄金色に光っていて、
引きちぎって口に入れたら
もっちもちのそのパンに、
朝のゆううつな気分を吹き飛ばされた。
そんな記憶がよみがえってきました。
その記憶をよみがえらせてくれた写真とは、
これです。
そしてここは、「おうちパン屋」という
パン屋さんの工房です。
時折お店になりますが、
パン屋さんというより工房です。
できたパンは「ひまわり市場」や
「パノラマ市場」などに卸していて
とても人気のパンです。
パンを焼いているのは
若いママさんです。
パン教室なども開催していて
本当にパンが好きな人です。
この人のお父さんとお母さんに紹介されて
朝、パン工房に顔をだしたという次第です。
お父さん、お母さん曰く、
「いつも閉まっているパン屋だよ(笑)」
いや違うでしょ~
毎日あちこちで
もっちもちの笑顔を開店している
パン屋でしょう!
「おうちパン屋」のパンの特徴は
ホシノ天然酵母を使用していることにあります。
この酵母はパンをもっちもちに仕上げてくれます。
そこにパン作りを愛する人の想いが込められたら
鬼に金棒、ならぬ、パンに金棒。
事実、このパンを買って東京に持って帰り
2日後に食べたら、
まだ焼き立てのもちもち感が残っていて、
スカスカパサパサのいつものパンにはない
こねてこねてこねまくった愛の味が
スルメのように滲み出してきました。
八ケ岳は”パンの激戦区”と言われています。
(というか、カレー、コーヒー、蕎麦、イタリアン・・・
いろんな食の激戦区でもありますが💦)
ですのでいろいろなパンが楽しめます。
「おうちパン屋」のパンは
色とりどり、味とりどりの
お総菜パンとは真逆を行く
シンプルさで勝負するパンです。
シンプルさの中に込めた愛情の時間で
勝負するパンです。
微妙な味の違いを堪能できる
そのあまりのおいしさに
アルバイトさんを雇って
お店をやればいいのになあ・・・
と思っていたのですが、
食べて噛みしめてわかったのが、
売ることよりも作ることに
丹精を込めているので、
レジスターを打つ時間があるなら
それをパン生地を打つ時間に使いたい、
という想いがあるのです。
きっと。
(これは僕の想像と解釈でしかないですが・・・)
僕が工房にお邪魔し
出来立てのパンを選んでいる時、
まだ幼稚園らしき娘さんが
嬉しそうに顔を出し、
恥ずかしそうにママの腰に抱き着き、
僕が声をかけたら
エプロンに顔をうずめました。
そんな孫と子供(ママさん)を横目に、
パンを袋詰めしていた
ママさんのお父さんとお母さんが、
「俺ら従業員ですから」
と言って、パンを軽自動車に積んで
卸しに行こうとしていましたが、
氷点下になった朝に
鼻水をすすりながら
嬉しそうに工房を後にする顔は
焼き立てのようにもちもちしていました。
命がバトンされていくって
こういうことなんだな。
そのバトンになっている「おうちパン屋」のパン。
本当においしいです!