週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

クルマは身体の一部であってほしい。

スバル車のリコールが続いていますが、

僕のレガシーツーリングワゴンも

リコールの対象車だったので、

今日ディーラーに行って

無償修理をしてもらってきました。

 

修理部分は、パーキングブレーキです。

 

リコールの内容を読むと、

”電動パーキングブレーキのコントロールユニットに、

品質のバラツキがあって、

使用過程で半導体素子やセンサー部品が破損し、

必要な時にパーキングブレーキが作動しないとか、

逆に低速時にパーキングブレーキが作動してしまう、

といったことが起きる恐れがある”

とのことです。

 

つまり、ブレーキのメカニカルな問題ではなく

半導体とかセンサーの問題です。

クルマというより、電気の話なんです。

 

こうなるともう素人が手を出せる話ではありません。

部品を交換します、と言われたら、

はい、お願いします、

としか言いようがありません。

 

レガシーの前にBMWに乗っていました。

テールランプがつかなくなったので、

球切れだな、と思って

カバーを外そうとしたのですが、

外すことができません。

どうやったらカバーが外せるのか

ディーラーに電話したら、

「基盤ごと交換しなくてはいけないので

車ごと持ってきてください」

と言われ、

万単位の修理代になった記憶があります。

(それって、素人には不可能です、ということです)

 

その昔、ミラージュ、ゴルフ、ポルシェ、

チャレンジャーなど

クルマが好きでいろいろ乗り継いだ僕ですが、

球切れぐらいは自分で直していました。

パーキングブレーキが

ハンドブレーキだった頃は

ハンドブレーキの”引きしろ”の感覚で

修理に出そう、などと判断していました。

 

もうすべてがブラックボックスです。

ボンネットを開けたって

何をどうしていいのかすらわかりません。

 

先だってとある法人から

自動運転バスを走らせたいのだが

どうすればいいか、と相談され、

僕が打ち合わせに行った先は

トヨタでも日産でもスバルでもありません。

ソフトバンクでした。

 

本当に無人の自動運転になるには

技術はもちろんのこと

国際的な道路交通法の見直しが必要なため

まだまだ時間がかかると思いますが、

自動運転時代はいずれやって来るでしょう。

そうなると基盤となるテクノロジーは

電子制御やAI、ロボット技術です。

クルマは、

クルマの形をしたロボットになろうとしているのです。

 

当然そうなることで

社会は多くのメリットを享受できるでしょう。

事故の軽減、渋滞緩和、環境への負荷の低減・・・。

でも、失うものもあります。

操ることの楽しさの喪失、など、

身体感覚の欠如です。

それって、人間が人間として嬉々として

輝く瞬間を失っていくことだと思うのです。

ロボットが人間の代わりをしていくということは

人間自身ロボットの一つに

なっていくことのような気がします。

 

2時間ほどで修理を終え、帰り道で、

目の前を黒の3代目GT-Rが走っていました。

最近日本の懐かしの名車が

海外で大人気と言います。

ランボルギーニやフェラーリの新車より

30年以上も前の日本車の方が

ワオー!ってなるらしいですね。

 

テクノロジーが発展する一方で

温故知新の時代。

 

アイサイトなんかも搭載し

ブラックボックスの多い

レガシーツーリングワゴンですが、

僕には大事なパートナーです。

機嫌が悪いとエンジンがかからない、

なんて、

クルマが恋人のように例えられていた時代は

もう来ないのかもしれませんが、

だからこそ耳を研ぎ澄まして

レガシーの小さな声を聞き分けていけるような

アナログな人間でありたいと思いました。

 

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