甘いもの、
特に立派なケーキなどは
ほとんど買うこともなく、
買うとすれば
コンビニのチョコパンみたいなのが
性に会っている僕ですが、
八ケ岳にいると
何もしないのにおいしいケーキなんぞを
食べたくなる気分になります。
何故かはわかりませんが、
体が本当においしい甘さを
欲しがっているのでしょうね・・・。
八ケ岳はパンやカフェの激戦区です。
おしゃれなお店がいっぱいあって
ネットを見るとたくさん出てきます。
僕もいろいろ行きましたし、
そこで食べるスイーツは
間違いなくおいしかった。
ですが、ですが、ですが・・・。
そのおいしさとは違い、
さらにそういう土俵には現れない
すごいスイーツのお店に出会ってしまいました。
「パティスリー・アツタマ」というお店です。
おしゃれなケーキ屋さんを想像するでしょう?
でも、これが「パティスリー・アツタマ」です。
アツタマとは、「安都玉」と書くんですね。
しかもパン屋さんなんですね。
おしゃれとかスタイリッシュとか縁のない
見た目はただのパン工場です。
ですが、近づくとちょっとおしゃれ、入ってます。
寒い八ヶ岳に店を構えるなら
もうちょっとサッシにもこだわった方がいいんじゃないの?
と、八ヶ岳素人の僕が言いたくなるぐらい、
簡素な引き戸を引いてお店に入ったら、
目の前にこんなトレイが山積みになっていました。
そう、このお店はパンが基本。
地元の学校の給食に
パンを作っているパン屋さんなのです。
この山積みのトレイの手前に
小さいけれど
スイーツが売られているショーケースが
恥ずかしそうにありました。
中には、シュークリームやタルト、ティラミスなどが、
ケースの上にはマドレーヌやパイなどの焼き菓子が
種類は少ないですが並べてありました。
外から見た外観とは想像がつかないくらい
パティスリー空間です。
ひとつひとつのスイーツは
まるでアートのように美しくて
どんどん僕の想像を膨らませてくれます。
思わず全種類を
ひとつづつ買ってしまおうかと思いましたが、
今回の八ヶ岳は僕一人です。
ぐっとこらえて、
シュークリーム(¥240-)、
シューキャラメル(¥280-)、
チョコ入りメロンパンを1個ずつ買って家に帰りました。
さて、どんなもんかな・・・と、
まずはシューキャラメルを試食。
想像以上にパリパリした皮に
キャラメルをつけていただきます。
びっくりするくらい
軽くてやさしい甘さ!
ガッツリ濃厚ではないです。
ホイップのように軽く、
そこに甘みが強く乗っている感じです。
中をほじくって
クリームをいただきました。
クリームはというと、
バニラビーンズのパンチが効いた中にも
どこかにふわっとした軽さが残っている。
味は濃いのですが重厚感はなく、
それがスイーツ男子ではない僕に
妙に響きます。
これは東京の家の近くにある
有名なパティスリーとは全然違います。
コーヒーを入れて食べようと思っていたのですが、
コーヒーを入れる前に食べ終わってしまいました💦
その勢いで、今度はメロンパンをちぎってみることに。
これ、写真じゃ伝わらないと思うのですが、
もっちりとかどっしりとかではないです。
とても軽くてふんわりしているのですが、
キメの細かさが半端ない!
だからとても上品です。
年代物の重厚な赤ワインというより、
すごくよく出来た年代の
超レアなボジョレの華やかな白ワイン、
といった感じです。
(すみません、ワインのことよく知らないので
イメージです・・・)
シュークリームもパンも、
軽やかでありながらふくよかで
きめ細かで優しい・・・
こういうパンはなかなか見当たらないです。
ですが、こういうおいしさを出せるのには
根拠があることを確信しました。
「パティスリー・アツタマ」は
地元の学校の給食を提供しています。
子供たちへの愛が詰まっています。
その愛がこの独特のおいしさを醸し出しているのです。
ひょっとするとこの味、
北杜市の子供たちが作った味なのかもしれません。
料理研究家の方たちに言わせたら、
もっとこうだああだと注文があるのかもしれませんが、
これほど作る人と食べる人が
呼応しあうパンやスイーツって、
初めてです。
そのぐらいおいしい。
どうやらパティシエは
東京で修業を積んだ方らしいですね。
絶対教えたくない僕だけのスイーツ屋さん、
と思いましたが、
黙ってられませんでした。
思わずシェアさせてください。