「最近どうよ?と声をかけたら、
今忙しので声をかけないでください!
って言われました。
もう取り付く島がないですよ~」
と、先日、かつていた会社で
今はそこそこの人数の部下を持つ管理職の後輩が
嘆いていました。
「それ、お前昔そうだったじゃん!」
と言って笑ったのですが、
もう上司と部下は
人種が違うぐらいの距離感に
なっているようです。
上司は部下と一週間に一度は
必ずコミュニケーションをすること、
そう会社から指導されているようで、
彼はこの先のことを思って
悶々と悩んでいました。
僕はフリーの人間なので
そんな組織の板挟みはありませんが、
同じような世代間の板挟みはよくあります。
今年63歳になる僕のクライアントの会社社長。
自分のやり方で押し通す
昭和丸出しのタイプの人で、
持病もあって経営を息子に
そろそろ渡そうとしているのですが、
その道筋をつけるのに
若い世代のまわりが思うように動かず、
毎週のようにあちこちで地雷が爆発しています。
そんなときに僕が出て行って、
社長のグチを聞くと
社長は穏やかな表情に戻っていきます。
今年74歳になる今僕が顧問をしている会社の先輩。
先月軽い脳梗塞で入院し
ウォーウォーうなるだけでろれつが回らず
言葉がしゃべれません。
身動きもできません。
でも他の人がしゃべっていることはわかるようです。
若い看護婦さんはそれに手を焼いているようで
しゃべっている言葉が意味不明なので
適当に相槌して出て行ってしまうのですが、
僕は先輩が何を言っているか
なんとなくわかります。
それで今日もお見舞いに行ってきたのですが、
一緒に過ごした仕事のことを思い出したようで、
聞き取れないものの楽しそうに
ウォーウォーうなる先輩のおしゃべりに
延々2時間突き合わせれました。
しゃべり過ぎたようで疲れて
眠りこけた瞬間を見計らって
帰ってきました💦
そんな最近の出来事を帰って妻に話したら、
「あなたは”送り人”ね」
と言われました。
送り人と言っても
死んだ人をあの世に送る人ではなく、
仕事人生でやってきた人を
この世に戻すことです。
そういう年代なのかもしれませんし、
ひょっとしてそういう人がいてもいいのかもしれません。
急激に変化する価値観の亀裂を埋めるのは
僕たち50代後半の人間なのかもしれません。
なんてかっこいいこと言っている間もなく
僕も間もなく送られる側の人間です。
でも自分でいうのもなんですが、
最近は若い社員の面倒を見たり
アイドルたちのお父さんのようなこともやっているので
多分送り人を必要とする
厄介をかけるような人間には
ならないような気がしています。
(といいつつ、なっちゃうのかもしれませんが)
上の人とも上手にやっていきたいですが
若い世代の人の気持ちもわかって、
世代間の接着剤になって
ニコニコ笑顔のポックリじいさんになれればいいな、
と思いました。