週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

話し言葉と書き言葉は別物、ということをわかって欲しい・・・。

GW明けの一週間後にプレゼンがあり、

一ヵ月ほど前から打ち合わせを重ねてきたのですが、

昨日はGWに入る前にアウトプットイメージを

固めるための打ち合わせとなりました。

 

プレゼンに臨むのは

プロダクションの人も含め

7人です。

僕はというと

クライアントと全面切って向き合う

プレゼンターであり、

広報戦略ディレクターでもあり、

コピーライターでもあり、

プランナーでもあり、

全体予算を管理するプロデューサーでもあります。

要は中心にいるわけで

プレゼンの席でもど真ん中に座って

クライアントからの矢のような質疑に

応えなくてはいけない立場です。

 

それはそれで醍醐味のある仕事です。

が、問題は、

僕がフリーの人間としてフィーがもらえるからでもなく、

俺が俺が的に出しゃばろうとする気もなく、

かといって仕方なくやらせられている感じでもない。

 

一言でいうと、

メンバーに

企画書を書ける人間が

いないのです!

 

会議の席では

「もっとこうしてこんな感じで

例えばこんな感じよ!わかるでしょ!」

みたいな感じで言うし、

その瞬間はなんとなくみんなわかった感じに

させられます。

そして最後に、

「という感じで、パパパッとまとめりゃ

いいんじゃないの?」

ぐらいの発言で終わります。

 

そこで敢えて僕は言います。

「じゃあ、その話、企画書にまとめてください」

そうすると・・・、

「いやー、パワポできないし、

そりゃ●●さん(僕のこと)の企画書はすごいので

お願いします!」

と言ってまるぶりしてきます。

 

僕は書く仕事を生業にしているので

わかりました、といって引き受けます。

というか、そうなることを織り込み済みで

プロジェクトに臨みます。

あ~あ、やっぱりそうきたか・・・

そんな場面に出会わすごとに

僕のこころには寂しい気分と

やってやろうじゃないかという気分が

入り混じります。

 

この仕事を30年以上もしてきて

ハッキリわかったことがあります。

話し言葉と書き言葉は

全然別物だ、ということです。

そしてみんなそれを知らない、ということです。

 

みんな話すのはうまい。

話を聞いていると、

その間はわかったような気分になってしまう。

でも一夜明けると覚めてくる。

昨日の話を紙に落とそうとしても

全くつながってこないのです。

 

おしゃべりは

その時間を共有している者たちだけが

分かち合える時間です。

でもその時の醍醐味を

時間を置いて別の人に伝えようとしても、

空気感や温度感などは伝えきれないので、

つまらない話になりがちです。

焼き立ての魚はおいしいけれど

翌朝になると全然おいしくない。

そんな感じに近いのかもしれません。

 

だから文章にするということは、

熱い想いが覚めないように密封したまま

丸ごと届けるということです。

 

これは、

「そんな感じで、パパパッて書いて」

なんていうことでは済まされないほど

難しい翻訳事業なのです。

 

大体の人はこれが出来ないし

それがもうわかっているので

僕が企画書を書きます。

でも書くということは、

プレゼンのシーンや話の流れを想定した上で書くわけで

結局書いた人がプレゼンターにならざるを得ず、

結局企画書を書いた人が

相手にとっての中心人物に映ってしまうのです。

 

僕は機転が利かずどもりがちなので

しゃべるのが苦手です。

しゃべった後はものすごい嫌悪感や反省心に

襲われます。

だから書くことが仕事になったのかもしれませんが、

書くことによって心が落ち着き

自信になります。

朴訥なしゃべりが逆に信頼を得て

うまくいく、

そんな仕事の広げ方をしてきました。

 

おしゃべり空間にあるような

熱い体温までをも密封するような文章に出来る人が

本当に少なくなっているような気がします。

その文章は、

SNSやチャットなんかと全然違います。

右脳と左脳、両方同時に震わせるような

そんな技術です。

ビジネスには欠かせない技術だと思っています。

「プレゼンに勝てる企画書の書き方」

などといった指南本がたくさん出ていますが、

僕は何ひとつ的を得ていないと思っています。

企画に対する熱い想いを密封するノウハウではないから。

 

GW明けのプレゼンに向けて

結局企画書に落とし込む作業を全面的に請け負って

GWを迎えました。

 

GW中にまとめなきゃ・・・

と思うとなんとなく気分が晴れません。

どうしてみんな書くことをしないんだろう・・・?

 

こころの中でぶつくさ言いながら

今日八ヶ岳に入る道中、

甲府あたりに来たら

夕日が差し始めていました。

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日照時間が日本一の北杜市に向けて

どんど気分も晴れていき、

GWは鳥のさえずりでも聞きながら

気持ちよく企画書づくりに精を出すつもりです。

 

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