荒木町はご近所なのですが、
あまり行ったことがありませんでした。
荒木町でいい店教えてください、
と期待されるのですが、
この年になると飲んだらそのまま寝てしまえる方が楽です。
近いがゆえに敢えて行く気にならない場所でした。
昨夜はかつての仕事仲間のO君とその友達との飲み会でしたが、
彼が予約してくれた店がたまたま荒木町でしたので、
久しぶりに足を踏み入れることになりました。
行ったお店は甲州街道から車力門通りに入って
少し行った右側にある、
「煙人」というお店です。
料理はすべて燻製にしてしまうという
ユニークなお店で、
聞いただけで酒が飲みたくなるような名前ですが、
入り口の暖簾も燻されているかのような味わいで
これが妙に初夏の夕暮れ時の荒木町に似合っていました。
お店の中はというと、
カウンター8席と
奥に座敷に6人程度座れるテーブルが2つ。
小さなお店ですが、
入ると燻製のいい匂いが立ち込めています。
6時だというのにもうカウンターは満席。
僕たち3人は奥座敷に案内されました。
まずはビールで乾杯。
O君が連れてきた友人(女性)は
この1月に宮古島でパーマカルチャーを学び、
一気にその価値観や考え方、
ライフスタイルにはまってしまい
会社を辞めて少し旅をした後、
どこかでパーマカルチャーを実践したい、
と熱っぽく語っていました。
パーマカルチャーとは、一言で言うと、
パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザ
イン手法です。(パーマカルチャーセンタージャパンHPより)
ということで、小難しいのですが、
地球環境も人間も永続的に幸せになれる
農的土地デザインのありかたと暮らし、
みたいなことです。
僕もかつて仕事に疑問を感じ
自給自足の生活に憧れて
20年前にパーマカルチャーを学んだのですが、
子供が中学生と小学生でお金がこれからかかる時。
会社は強引に辞めたものの
自給自足の生活に踏み込むことはできないまま
今に至っています。
でも、パーマカルチャーで学んで
一番印象に残っているのは、
「一反(300坪)の土地があれば
一家4人が自給自足できる」。
つまり、
一反の土地で生産される食物のエネルギーは
一家4人が1年で消費するエネルギーと
ほぼ等しい、ということです。
こんな給料じゃ食っていけない・・・
などとよく言いますが、とんでもない!
一反の土地さえあれば
とりあえず食っていくことができるのです。
だったら会社辞めても
最後の最後は生きていけるじゃん!
この話に勇気をもらって
会社を辞められたといっても過言ではありません。
そんな話をしたら彼女は、
どんどんハッピーな気分になっていったようで
3人で、人生は結局大丈夫!
と大盛り上がりしました。
(隣の席ではまじめに仕事の話をしていたけど
超脳天気に聞こえただろうなあ・・・💦)
話はともあれ、料理はというと、
燻製料理のオンパレード。
これは、カラスミ、サーモン、
鯨ベーコン、イカの燻製盛り。
これは、玉子、タコ、タラコ、手前のは何だったかなあ・・・。
奥は燻製が入ったポテトサラダです。
これらをマヨネーズをたっぷりつけていただきます。
まずいわけがなく、超特急で酒が進む、進む。
というか、酒が明らかにおいしく感じる。
ここのところ胃が荒れ気味なので
自粛しようと思っていたのですが、
気がついたら焼酎のロックを5杯も飲んで、
ふらふらになってしまいました。
酒を主役にする名脇役、とでもいうべきでしょうか。
二人はワインを何度もおかわりしていましたが
どうやらワインにもピッタリ合っていたようです。
お店を出るとお酒が入った荒木町は
いい感じの佇まい。
酔い覚ましにぶらぶら散歩したりして・・・。
一歩路地に入ると、
メゾン一刻に出てきそうなアパートがあったり、
その先にはこんな神社があったり。
この神社ではキツネが飛び出さないように
檻に入れられていたりして・・・。
ほんとに飛び出したことあるのかなあ・・・
なんて妄想したら、ちょっと怖くなりました。
知らなかったあ・・・!
そんなわけで地元の魅力発見の夜、
家飲みだけじゃなく
たまには贅沢しても
夜な夜な地元に繰り出すのもありかも・・・。
そんな楽しい夜でした。
ちなみに今朝になって昨夜着て行った
パーカーの匂いを嗅いだら、
しっかり燻製の匂いが残っていました。
そこだけはおしゃれな女性の方には
要注意でしょうか・・・