東京に家のリビングには
観葉植物のゴムの木が置いてあります。
家の中の唯一の緑です。
今日はこのゴムの木のお話。
3年近く前に
よく通っていた仕事の事務所が解散する時に
もらってきたものです。
もらってきた時は
これより一ひと周り小さく
葉っぱも4,5枚しかありませんでした。
生きているか死んでいるかわからないし
捨てようと思う・・・
そう社長が言っていたので
だったら引き受けますよ、
といってもらってきたものです。
実はこのゴムの木は
そのもっと昔、
その事務所が設立された時に
仕事仲間がお祝いに贈ったものでした。
今から13年近く前になります。
当然お金を出して買ったものですから
立派な観葉植物でした。
もっと背が高く
葉っぱも一杯開いていて、
これが育ったら
事務所の天井まで届くような
大きな木になるんだろうな・・・
そんな風に期待していました。
しかし、そうはならず
葉っぱは枯れていき、
枝も死んでいったので
小さくなってしまいました。
日中は窓際に置いて
水やりもきちんとやったのにもかかわらず
枯れて枯れていったのですが、
その理由を、
事務所の女の子や
僕はわかっていました。
とにかく事務所は24時間体制で
仕事が終わったあとも
夜の10時から朝6時までぶっ続けで打ち合わせ。
毎日のように20人ぐらいが会議を開き、
毎日のように罵声が飛び交い
居眠りする人の隣で
胸倉をつかみあうようなことが
当たり前でした。
「こんな環境じゃ、植物も枯れるよね」
優しい声をかけてほめてあげると植物は育つと言います。
逆に、
大きな声で起こり続けると植物は育たなくなると言います。
人間の感情がわかる、などという人もいますが、
音波に反応して成長をコントロールするのでしょう。
早い話が、ストレスのかかる環境下では
育たないのです。
人間といっしょです。
そのストレスの多い事務所が解散するまで
10年以上我慢していたんだと思います。
そりゃ死んだようにもなるでしょう。
きっと息を吹き返すに違いない・・・。
いや、絶対に息を吹き返して欲しい!
そう願って引き受けたゴムの木。
静かな家とは言えないけれど、
日当たりもあって
猫もいて、
あくびが止まらないような
のんびりしたリビングに置いていたら
ひょっとして目をあげていいのかな・・・?
みたいな感じで
おそるおそる葉っぱが開き、
新しい芽も出始めました。
これはこの5月に出た芽です。
死んだふりをしていたんでしょうね。
引きこもってしまっていたんでしょうね。
自分の居場所だと思ってくれるようになったんでしょうね。
葉っぱを数えたら
28枚ありました。
ブラックな環境から抜け出して
息を吹き返したゴムの木。
どんな枝ぶりになるか
静かに育ててあげたいと思います。