週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

生まれて初めて”講談”というものを見て、はまった!

昨日、

新潟県魚沼市の小出郷文化会館というところに

神田松之丞さんの講談を聴きに行ってきました。

魚沼市にいる友人から

今めったに聴くことができない

講談師のチケット取れたから、

こなきゃ損だよ!

とばかりの勢いで言われたので、

講談なんて聴いたことも僕でしたが

とりあえず行ってみることに・・・。

NoPhoto

 

暑い夜にふさわしく

「真夏の怪談寄席」というタイトルで、

講談師・神田松之丞さんと、

ベテランの落語家・三遊亭遊吉さんの

コラボレーションによる企画でした。

 

そもそも落語と講談の違いがわかりません💦

こっそりネットで調べたら、

 

「落語」が会話によって成り立つ芸であるのに対し、「講談」は話を読む芸という言い方ができます。勿論、読むといっても単なる朗読とは違い独特のしゃべ調子と小道具の使い方で展開される訳なのです。よく使われる小道具として有名なのが張り扇と釈台(机)です。
張り扇で釈台を叩きパパンという音を響かせて調子良く語ります。この小道具を巧みに使った芸こそ「講談」ならではのものです

「講談協会オフィシャルサイト」より

 

とありました。

そういや前の机をペペンペペンと扇子で合いの手を入れながら

語るのを見たことがあるようなないような・・・。

 

そんなことはどうでもいい。

ともあれ、人生初の講談体験です。

 

神田松之丞さんの演目は

「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)

 ~宗悦殺し~」でした。

 

この演目のCDを持っている友人は、

この話がすげーんだ!と、

劇場に入った瞬間から興奮しまくっています。

 

僕はというと

前から4列目、

ど真ん中だったので、

眠らないように気をつけないと・・・

という、別の緊張感で、

直前に食べたラーメンが

ギュルギュルとお腹の中をうごめくのを

抑えながらの鑑賞になりそうです💦

 

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さて、寄席が始まりました。

 

前座で若い女流落語家が一席。

ちょっと緊張しているせいか

ところどころとちります。

なんとなくこっちもハラハラしますが、

爽やかな笑いでまずは会場を和ませてくれました。

 

そして真打落語家・三遊亭遊吉さんの登場です。

「三年目」という演目でしたが

怖い話も落語家が語ると

こうもスッキリ楽しめるんですね。

笑いどころ満載!

湿度の高い寝苦しい夜、

冷房というよりも除湿をしたような

妙な爽やかさが残りました。

 

三遊亭遊吉さんが終わると

いよいよ神田松之丞さんの登場です。

 

演目に入る前に

ひとしきりお話を披露。

これがへたな漫才なんかよりも面白い!

会場は笑いの渦に包まれます。

そうして会場をリラックスさせておいて

いつも間にか演目に入っていました。

 

演目に入ると徐々に神田さんの

口調や話のリズム、声のトーンが変わってきます。

難しい言葉など一切ありません。

子供にも全然わかる話です。

まるでその話の場面にタイムスリップするかのように

どんどん引き込まれていきます。

言葉だけで

3Dの映画を見ているような

臨場感と没入感です。

 

演目の「真景累ヶ淵」の「真景」というのは

「神経」にかけています。

幕末から明治にかけて入ってきた

精神医学と、

江戸時代に流行した

幽霊の話を掛け合わせて

三遊亭圓朝が21歳の時に創作した、

恐怖の和洋ハイブリッド長編怪談です。

 

全部で12話とかになるそうですが、

今回は第1話でいっぱいいっぱい。

話としては前章の前章、ぐらいだったのですが、

これは全部聴き納めたい。

落語ではなく講談で。

CDではなくライブで。

 

物語の登場人物に次々となり替わり、

その合間にリズミカルに解説をはさみつつ、

話の句読点には扇子でペペンと机を叩き、

時には身を乗り出し、

絶妙な間がより恐怖心をあおる

神田松之丞さんの講談は、

迫真の一人ライブエンターテインメントでした。

 

ところで講談社って

この講談から来ているのだそうな。

 

57歳にして

日本の文化の奥深さに

あらためてはまってしまいました!