金曜と土曜の1泊で
魚沼に行っていたのですが、
昨日の土曜日の午前中、
清津峡(きよつきょう)渓谷トンネルに
行ってきました。
清津峡渓谷は、
黒部峡谷(富山県)、大杉谷(三重県)とともに、
日本三大峡谷の一つとされています。
そしてなおかつ、
峡谷沿いに掘られた坑道(トンネル)は、
「大地の芸術祭」の
”Tunnel of Light”という
マ・ヤンソンという建築家の
作品の舞台にもなっています。
長岡花火と重なっていたせいか、
すごい人とクルマでした。
僕と、
ご一緒させていただいたY夫妻の乗ったクルマは、
偶然にも臨時駐車場にサクっと入れましたが、
第一駐車場に止めようものなら
1時間近く待つことになったでしょう。
峡谷は清津峡温泉街の上流の川沿いに続いています。
川沿いを少し歩くと、
トンネルの入り口がありました。
そしてこのトンネルの入り口の横には
マ・ヤンソンの石のアート作品があります。
この黄色い立て看板は
「大地の芸術祭」の参加作品であるしるし。
この芸術祭には過去に2度ほど行っていますが、
それまでこの作品はなかったはずだから、
今年あたりから公開されたのかな・・・。
さて、トンネルを入ろうと思います。
入ってすぐにチケット売り場があり、
600円を払ってトンネルを進んで行きます。
おお~!別世界のように涼しい!
暗くて狭いトンネルは
赤や黄色の電球でぼんやりと照らされていて、
壁面にはシミかと思ったら動物の絵があったり、
これらはすべてアーティストの手によるものです。
寒い冬、誰もいない中を進むには
かなり怖いと思いますが、
真夏の日差しが照りつける昨日などは、
この暗さと狭さ、そして涼しさが、
たまらなく気持ちいい!
このトンネルは
全長が約750メートルです。
途中3つの見晴所があり、
最終ゴールとなるのは
パノラマステーションという
一番の見所です。
第一見晴所に到着です。
こんな感じで
トンネルの先の峡谷に注ぐ光がまぶしい。
第二見晴所を過ぎ
第三見晴所は
よりアーティストの手が入っていました。
この先まで行ってみます。
すると目の前には峡谷が迫っています。
この峡谷の景観美を特徴づけているのは
「柱状節理」(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる、
六角の石が柱状に積層した岩です。
難しいことはわかりませんが
岩が冷却される際に
体積が収縮してこうなったのだそうな・・・。
この柱状の壁に挟まれて流れる川は
澄んだブルーと淡いグリーンが混じり、
息をのむほど美しかったです。
さて、もう少し歩いて
いよいよ最終のパノラマステーションに。
床一面に峡谷から湧き出る沢水を張り、
トンネルの壁面にはステンレスの板を張ることで、
半円に切り取られた景色が
水面にも映り、
完全な円となって光のトンネルとして完成させています。
自然そのものでも雄大で美しいのですが、
そこにアートが込められると
これほどまでに心に響くものか・・・
その美しさに、しばし見とれてしまいました。
その涼しさに、
時間が許す限りここにいたいと思いました。
とはいえ、夕方には東京に戻る身です。
後ろ髪を引かれるように
戻ることに。
このトンネルですが、
そもそもなぜこんなところに・・・?
というと、
かつてはこの温泉街から
その先の街へ抜ける登山道(遊歩道)があったのですが、
落石事故などが多く、
昭和63年に事故で一人亡くなり、
あまりに危険な遊歩道だということで
通行止めになったそうです。
ですが、
この貴重な柱状節理の渓谷美が
見ることが出来なくなってしまう、
ということで、
環境庁、文化庁、新潟県、地元中里村が
合計20億円を投資して
作ったのだそうです。
トンネルは長く
遊歩道のような楽しみが得られない・・・
当時、そんな不満もあったそうですが、
こうして一人のアーチストの手が入ることにより、
そのマイナスの要素はプラスの魅力へとなって
いまこれだけの観光資源として蘇りました。
アートの語源はラテン語の「アルス」。
アルスには、
自然の配置、技術、資格、才能と言った意味があります。
各地で芸術祭がブームですが、
(あいちトリエンナーレの企画展の中止は
本当に残念・・・)
このアートの場となった清津峡渓谷トンネルは
素晴らしいと思います。
暑いうちに是非、行かれてみてください!