週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

中古物件にはお宝が眠っているかも?!

2年前に山小屋を買った時のことです。

 

北側の庭に物置が2つあって

2つともパンパンにモノが入っていました。

前の人が物置きまでは目が行かず、

仕方ないので

購入後に自分で全部中身を断捨離し、

いらないものは不動産屋さんに

廃棄処分をしてもらいました。

 

スコップ、鍬、ノコギリ、釘、

針金、ロープ、一輪車、酒樽、

BBQの台、BBQ用の炭火、

子供のおもちゃ・・・

いや~、ありとあらゆるジャンルのモノが

ぎっしりと詰まっていて

全部捨てようとしたら、

一番奥からたくさん石が入った袋が出てきました。

 

なんじゃこの石~?

 

と思って取り出してみたら、

前のオーナーは

多分登山が趣味だったんでしょうね。

「●年●月●日 ●●岳登頂」

みたいな文言がそれぞれの石に

マジックで書かれていて、

登頂記念に拾ってきたことが想像されました。

 

山から石を持ってくるって

あんまりいいことじゃないんじゃないの?

全部いらないや・・・。

 

ところがその中に、

気になる石が2つほど出てきました。

 

これです。

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一つは左側、なんだかエメラルドグリーンに光る石。

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きれいでしょ!

氷河のようで

高いところから落とすと割れてしまうような柔らかさで。

 

そうしてもう一つ、右側には、

「ヒスイ原石 時価2000万 (非売品)」

とあります。

部分的にフォーカスすると

ヒスイに見えなくもないような・・・。

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それにしても、

 

ヒスイ原石 時価2000万!

 

これ、気にならない人いないでしょう!!

 

「これほんとだったら、タナボタよ!

もう働かなくていいよ(笑)」と妻。

 

もうあっという間に

億万長者(?)になったような気がして、

腫物に触るように

この2つをタオルで包んで

早速この石が何であるか、

どのぐらい価値があるか、

調べることに・・・。

 

山梨県は石の産地で

宝石の鑑定などでも有名です。

 

ネットで調べて

研究所やら鑑定所やら

あちこち電話してみました。

 

でも、例えば婚約指輪など

整形されたダイヤモンドみたいなものが

何カラットで

どのぐらいの価値があるのかはわかっても、

このような大きな原石が何であるか、

どのぐらい価値があるかは

調べられないとのこと。

 

何件かあたった末に

やっとこさ

「じゃあもってきてください」

と言ってくれた店に出会いました。

山梨ではなく、御徒町の店でした💦

 

リュックに2つの石を入れ

あやしい雑居ビルの2階に上がって

ドアを開けると、

受付の小さいテーブルがありました。

 

女の人がいて、

あのう、電話したものですが・・・

というと、

ちょっと待ってね、といって、

奥の方にいた社長らしき人を呼びました。

 

出てきたのは

頬のこけた眼光の鋭い

ちょっと普通僕の周りにはいない、

僕よりも少し上とみられる男性。

 

あのう、これなんですけど・・・

と言って石を出すと、

「その前にちょっと聞くけど、

あなた仕事何?」

「広告関係の仕事ですけど・・・」

「これ、どうしたの?」

「山梨で中古の山小屋を買ったら出てきて、

気になったものでこれが何だか知りたくて・・・」

「あんた、石の仕事とかやってない?」

「全然やってません!」

「あのさあ、そういう人は

ここにいままで来たことないんだよね」

「ということは・・・?」

「ここは石専門の会員制の店なんだよ」

「・・・・・・」

「これがいくらになるか知りたいの?」

「いや、そういうことではなくて

この石が何という石で、

この”ヒスイ原石”って書いてるのが

本当かどうか知りたいんです・・・!」

と汗まみれになって答えていたら、

受け付けてくれた女の人が、

「いいじゃないの、固い事言ってないで

見てあげなさいよ!」と一喝。

すると、急に肩をすくめて、

「じゃあ仕方ない、見てやるよ・・・」

と男性。

ああ、ご夫婦なんだな!と、すぐにわかりました💦

 

それで2つの石を持って奥に入って

待つこと10分。

 

どんな答えがくるかドキドキの僕。

 

まずはエメラルドグリーンの石について。

 

「これは蛍石だね。」

「蛍石?」

「そう。ブラックライトを当てると光るよ。」

「価値がある石なんですか?」

「あのさあ、鑑定と鑑別の違いってわかる?

ここはこの石がどんな種類の石なのか(鑑別)を教えるけど

この石がどのぐらいの金銭価値があるか(鑑定)は

言えないんだよ!」

「すみません・・・」

 

そんでもっていよいよ”ヒスイ原石 時価2000万”の石。

 

「これはだね、砂の塊だね」

 

え?ヒスイじゃないの?

 

「糸魚川とかに行くと

こういうそれらしき石に”ヒスイ”とか書いて

高い金額で売る輩がいるんだよね・・・。

こういう商売はほんとやっちゃいけないよね」

 

夢破れて砂があり!

 

一気に意気消沈した僕に追い打ちをかけるように、

奥にいた奥さんらしき女の人が、

「これはヒスイじゃないって私にもわかるわよ」

と、高らかに笑っていました。

 

撃沈です。

 

「ありがとうございました・・・。

あのう、お代はおいくらぐらい

お支払すればいいのでしょうか?」

 

と聞くと、

「うーん、困ったなあ・・・。

ここは会員制の店だし、

こういう人初めてだし。

あのさあ、お代はいらないから

もっと石のこと勉強してよ。

だからお代の代わりにこの本買って。」

と言われて、1冊の本を買わされました。

 

それがこの本。

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実はこの社長が書いた本でした。

 

実はこの方、

飯田孝一さんと言って、

鉱物の鑑別の世界では有名な方のようでした。

 

すみません、そんな方に鑑別していただいたなんて・・・💦

 

2つの重い石をリュックに入れて

重い気持ちで八ケ岳まで持ち帰り、

さあ、この2つの石をどうしようか・・・。

 

悩んだ挙句、蛍石の方は美しく光るので

インテリアに。

 

なんちゃってヒスイについては、

プロだってミスすることがあるじゃないか!

とばかり、一縷の望みをかけて、

いまだタオルに包まれて

山小屋の納戸に

大切にされて眠っています。

 

情けないですが

はかないとはいえ

夢を描くのは悪い事ではなですわ。

 

おしまい!

 

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