週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

これからは若い人にお任せ、シェフにお任せ。@居酒屋「おもてなし」(新橋)

定年延長が70歳になろうとしている現在、

僕の年齢的では65歳から年金がもらえることになっています。

 

よく、何歳まで働きたいですか?

というアンケートに

65歳までとか、70歳までとか、

人生100年時代に合わせたような回答が

報道されていて、

だから年金の支給を遅らせるのは理にかなっている、

という文脈がまかり通っていますが、

ほんとにみんな

65歳とか70歳まで”働きたい”と思っているのかな?

と、疑問に思ってしまいます。

働かないとやっていけないから働かざるを得ない。

それを、働きたい、という

短い言葉に置き換えているだけじゃないのかな?

 

仕事で一緒の僕の先輩は

今60台前半で、

年金の支給が始まっています。

一方でまだまだ現役で仕事をしています。

その先輩に、

年金も給与もあっていいですよね、

と言ったら、

「年金が入るってなると

金額は大したことないけど

極端に仕事への意欲がなくなるよ。

それに60歳を過ぎたら

そもそも好奇心がなくなってきて

仕事を若い奴にバトンタッチしたいと思うもんだよ。

俺なんかいつ死んでもいいと思ってるし、

かみさんも子供もいないので

そこそこ間に合っているから

若い奴のモチベーションアップに

おれの年金なんか渡せばいいと思うよ。」

と言っていました。

 

ヒッピーに傾倒していた人なので

正義感とかそういうのではなく

ピュアにそう思っているいることがよくわかるので、

とてもストンと腑に落ちた感じがして。

 

そう、歳とともに仕事への意欲が薄れていくんです。

僕もなんとなく仕事への向き合い方が80%ぐらいになっているし、

もしもこれでNGくらったら

まあその時はしょうがないや・・・

みたいな境地にだんだんなり始めている自分がいて、

それよりも若い奴がいきいき仕事している姿みて

ひそかにジーンと涙こぼしちゃう感じなので、

年金とかもらい始めたら

リタイアすべき、とか思ってしまいます。

 

もちろんそれで余生を十分やっていけるという

前提があっての話ですが・・・。

 

モチベーションがなくなっている高齢者を

ほんとに会社はありがたき人材だと思って

雇ってくれるのかな?

会社の最大の目的は、

利潤追求にあるって教わったことがあるけど、

どこのどういう場面で

高齢者の力がいきるのだろうか?

その本質を置き去りにして

定年延長を軽々しく論じていいのだろうか・・・

 余計に疎外されている感覚になってしまわないだろうか・・・。

 

 

前置きが長くなりましたが、

昨日は40歳中盤の仕事仲間と

彼の助手の若い女性と

3人でしっぽりと忘年会をしました。

 

行ったお店は

彼が昔からよく知っているシェフがいる

新橋の創作居酒屋「おもてなし」です。

新橋 OMOTENASHI
〒105-0004 東京都港区新橋2-12-2 hk新橋ビルB1
5,400円(平均)950円(ランチ平均)

r.gnavi.co.jp

 

「kogyさん(僕のこと)、

ここはシェフにお任せで

メニューなんてヤボなものはないんですよ。

だから何も考えないで

飲んで食べて話しましょう!」

 

その通りで、

明るく白を基調とした

大理石の広いカウンターに腰かけると、

次から次へと

料理がやってきました。

 

これは前菜。

フカヒレとアワビの料理です。(料理名は覚えいていません)

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次は旬の魚のカルパッチョ。

(魚の名前、なんだったけなあ・・・)

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その次は、冷菜スープに乗った熱々の白子料理。

(名前、忘れました)

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さらにその次に来たのは、

じゃがいものニョッキ料理。

(こちらも名前は忘れました)

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5番目に来たのは、鰆とフォアグラの焼き物。

(だったかなあ・・・)

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 でもこれがメインではありません。

メイン料理はラムチョップのグリル。

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この料理の合間合間に、

それにふさわしい白ワインやら赤ワインやらを

勝手に注いでくれます。

 

その料理やワインのおいしいこと!!

 

料理もワインも詳しくなく

メニューを見せられても判断がつかず、

いろいろ聞いたけど

お任せします!

みたいになってしまって、

面倒だなあ・・・と思ってしまう

僕のような人間にはピッタリ。

 

その分会話に集中できるのがとてもうれしいです。

 

信頼できるシェフがいて

その人にお任せ。

そんな食べ方が

僕らの年代にあっているのだと発見しました。

 

そのシェフが

「これ食べてみて。すごいワインに合うよ!」

とサービスしてくれたのがこれ。

日本に10台ぐらいしかない

鰹節削り器で削った、

チーズです。

聞けば、0.01ミリぐらいの薄さなのだとか・・・。

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息をかけるとふわっと飛んで行ってしまいそうな

チーズを口に入れると、

雪のようにとろけてしまいます。

メニューにはないんだけどね・・・(笑)

といって出してくれたこのチーズが

衝撃的に印象的でした。

 

料理はシェフにゆだね

会話はどんどん弾み、

最後になったころ。

彼が、

「実は2年後ぐらいに独立しようと思っているんです。

その時は是非力を貸してください・・・。」

と告白してきました。

 

彼は業界では出来る人間で有名で、

会社ではナンバー2で

いずれ社長になるだろうと言われている人でした。

それだけにビックリで、

どうして辞めちゃうの?

と聞いたら、

古い体質を変えることはなかなか難しく、

まだまだやる気があるうちに

自分のやり方でビジネスを展開したいんです。

みたいな答えが返ってきました。

 

そんな話を小耳にしていた、

つい最近大病をして復帰したシェフは、

ニヤリと笑っていました。

 

応援しないはずがないではありませんか!

 

彼が独立したころには

僕はもうもっとやる気が失せていて

役立たずでしょうが、

こういうフレッシュなエネルギーに

僕の残ったエネルギーが有効利用されれば・・・。

 

ということはだよ。

僕もまんざら役立たずの人間じゃない、ってことを

証明されるわけじゃないですか。

 

なんだかうれしい夜でした。

 

いつもの帰り道もなんだかきれいに見えて、

思わず立ち止まって写真を撮ってしまいましたとさ。

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