週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

依存しあう両親の介護に思うこと②

田舎は大好きなんですが

実家がどうもダメです。

 

そのダメな実家に

日曜日と月曜日の1泊で、

退院したての89歳の父と

要介護の86歳の母の様子を見に行ってきました。

 

もちろんただ漠然と行ったわけではなく、

クルマの免許の返納と

施設への入居を説得するためです。

 

結論から言うと

どちらもうまくいきませんでした。

 

免許返納については、

市が試験的に実施している

要介護認定の老人がもらうタクシー券を

時々使っているようですが、

なんだかんだと言って

ちょこちょこクルマを運転しているようです。

 

クルマの代わりの足として

電動アシスト自転車をすすめたのですが、

興味は持っているものの

自転車では母を運べません。

母を病院やリハビリに連れていくためには

どうしても乗ってしまう・・・と。

 

お前(僕のこと)の言いたいことはわかっているし

自分も自覚していて

もう間もなく覚悟を決めなきゃと思っているから・・・

と押し返されると、

もうそれ以上言えません。

 

ダイヤモンドユカイさんが

老母が免許返納しようとしないのを見かねて

強引にクルマを売ってしまって

その時のすったもんだを語っていましたが、

そういうバトルを知ってしまうと

イライラしつつも余計に何も言えなくなり、

とにかく人命にかかわることなので

人としての判断して欲しい、

なおかつ、

できるだけ運転を減らして

リスクを減らして欲しい。

それだけを念を押しました。

 

どこかで誰かが

免許証をインサートしないと

エンジンがかからない、

そんな免許証になれば

老人の事故も減るのでは、と言って、

結構話題になっていたのを思い出しました。

 

もう一つ。

施設に入る件については、

母方の親戚がすごくいい人で

よかったらうちの近くの近くに引っ越しませんか?

と言ってくれたのですが、

自分の家とは県も市も変わるので、

そうなると友達もいなくなるし、

なんといっても自分たちが

汗水働いて建てた家から離れるのは嫌だ、と、

首をタテに振りませんでした。

 

家からは30分ぐらいしか離れていない隣町で、

そこは母の実家でのあるので、

この話はいけるのでは・・・!

と思ったのですが、

玉砕しました💦

 

周りの人の気持ちも少しは考えろよ!と、

思わず声を荒げそうになりましたが、

それを言うとお年寄りは余計に頑なになるのでやめてください、

とケアマネージャーに教えられていたので、

ぐっとこらえました。

 

歳を取るって、自分勝手になること。

わがままになること。

 

その経験をした仕事の先輩が、

「しかたがないさ、

だって希望を持てと言っても体も動かず、

死しか目の前に思い浮かばないんだから、

望みを絶たれたらわがままになるよ・・・」

そんな事を言っていたことを思い出し、

そう思ったらこれ以上突きあげるのは酷だなあ、、、

なんて思って黙ってしまいました。

 

黙ってしまった僕をよそめに、

「お前が死んだら俺も死にたいなあ・・・」

「そんなこと言ったって棺桶には一人しか入れないんだよ」

なんていう冗談にほほ笑みあっている二人を見ていると、

こんなこと思ったら不謹慎なのですが、

この家で、ふたり揃って、

早くぽっくり逝ってくれるのが、

本人たちにとっても

僕たちにとっても幸せなのかもしれない・・・。

 

朝起きると実家は雪景色でした。

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同じような雪景色ではありますが、

八ケ岳の雪景色はとても爽やかで生気に満ちていて、

実家の雪景色はなんでこんなに重くて冷たくて、

悲しくて暗いんだろう・・・

 

故郷が忘れられなくて

Uターンして実家を改装して

カフェを始めました、

といったテレビ番組を見るたびに、

素敵だなあ・・・と思いつつ、

それをできない自分に苛立ちを覚えます。

 

ともあれ、そんな過去に引きずられずに、

僕は家族と前だけを見て行こうと、

しゃばに帰ったような気分で

東京に戻りました。

 

年末はいろいろ忘れて薪ストーブの前で、

一人八ヶ岳納会を楽しみたいと思います!