先だって八ヶ岳に行ったとき、
妻が気になる雑貨屋さんがあるので行ってみたい、
というので行ってみることに。
「プティウェンディ」という
石堂の交差点からすぐのお店です。
(写真はPetit-Wendyのブログ『麓の家』から拝借しました)
きっと女性向けの雑貨が多いんだろうな・・・
暇つぶしで付き添うか・・・ぐらいのつもりで
一緒に行きました。
お店はというとご覧のとおりで
おとぎ話に出てきそうな
小さくてかわいらしい外観です。
2台ほど止められる駐車場にクルマを止め、
中に入ると、
小さなフロアに所狭しとばかり商品が並んでいました。
雑貨屋さんといってもいろいろなものがあります。
食器、DIY用のシェルフ、アイアン系の雑貨、
アクセサリー、写真立て・・・
でも一番多かったのは、古着です。
それもビンテージ系の古着ばっかり。
それも女性ものだけでなく男性ものもたくさん!
お店を切り盛りしていたのは
一人の女の方でした。
(オーナー?店長?かな)
お客さんはというと僕らしかおらず
ほとんどお茶のみに来たような感じになってしまい
みるみるおしゃべりがはずんだのですが、
服のセンスもさながら、
おしゃべりのセンスもバツグンで、
「あら~、これ絶対お似合いよ!」
「これなんかは、新品だと3万円で手に入らないものよ~」
「是非試してみて!」
みたいな感じで
次から次へとドラエモンのポケットのように
狭い店内の奥から
いろいろな服を持ってきてくれます。
最初は妻に向けておしゃべりしていたのですが、
そのうち矛先は僕になり
「すごいいいオーバーオールが入ったの。
絶対に合うと思うわ!」
といって、それを持ってきてくれました。
オーバーオールとはなんぞや・・・?
と思って広げてみたら、
ジーンズ生地のいわゆる、つなぎです。
「ああ、つなぎですね。
そういえばワークマンで買おうと思ってました」
といったら、
「つなぎは作業着だけど、
これはオーバーオールです。
作業にはもちろん、
八ケ岳のオシャレ着としてとても重宝しますよ~」
石ちゃん(石塚英彦さん)が来ているあれだあ、と思いだし、
「でもこれ太ってないと似合わないわよ・・・」
と妻が言ったら、
「逆ですよ、逆!むしろ細い方の方が
とてオシャレに着こなせるんですよ」
とオーナー。
負けずに妻が
「でもやっぱりオーバーオールは若い人じゃないと・・・」
と切り返したら、
「うちのお客さんの平均年齢は70歳です」
とニッコリ。
その笑顔に負けました。
ここまで勧められたら試着するしかないわな。
と思って試着したら、
これまたなんとピッタリ。
しかもゆったり着られるのですごい楽。
鏡で全身を見たら
自分で言うのもなんですが
”変なおじさん”といった感じで
恥ずかしかったのですが、
今まで見たことのない自分を見ているようで
妙に楽しくなり、
思わず買ったあ!と言ってしまいました。
で、一着買ったら堰を切るようにあれもこれも、
となり、
結局僕はアメリカンビンテージという言葉に負け
黄色のトレーナーも。
妻はというと
パンツとジャケットを1着ずつ。
二人で合計4着も買い込んでしまいました。
それでも全部で2万円しないのですから
安いです。
これまで古着なんて全く興味なかったのですが
(古着に限らず服全体においてですが・・・)
古着の楽しみ方、その入り口を覗き込んだようです。
そうして今日本屋さんで
『古着は、対話する。』(安田美仁子)という本を
見かけました。
気になったので中を見ると、
とてもいい言葉がたくさんあったので、
思わず買ってしまいました。
”人が着ている無数の先入観。
一枚ずつ脱ぎ捨てていくための服。”
”病院へ行くだけで力を吸い取られるので、
思いっきり明るい色の服で行って跳ね返そう。”
”心の中の尖った部分がある限り
古着はいつも新しい。”
普通だったら目にも止まらない本だろうし
中身を読んでも全然響いてこないだろう言葉が、
アートな写真とともにグサリグサリと
こころに突き刺さってきました。
服、なんていう
一生縁のないものと思っていたものから
新しい発見や感動が生まれてくるのですから
人生はまだまだわかりません。