僕がいつも愛用しているアコギは
「Headway HD-115」という
日本のメーカーのものです。
一音一音がキラキラきれいに鳴る
どちらかというとフィンガーピッキングが似合う
とてもバランスのとれた音色のギターなのですが、
４年も使っていると、
低音がズドンと聞いて
フラットピックで思いっきりかき鳴らすと
暴れるくらい乱舞するような
Headwayとは真逆の音が恋しくなり、
巷で有名な「Gibson J-45」が欲しいなあ・・・
と、この１年ぐらいずっと思っていました。
しっかりものの日本製エコカーもいいけど
たまには豪快なアメリカのＶ８に乗りたいぞ。
中でもずっと憧れていたのが
エボニーブラックという
黒のボディです。
それでことあるごとに探してはいたのですが
どうも人気のようでなかなか見つからない。
見つかってもネットショップなので
試奏が出来ないのです。
よく試奏せずに買う人がいますが
とても僕にはできません。
仕方ないや・・・
ぐらいの感じで憧れで終わらせていました。
ですが昨日、
暇に任せてネットを見ていたら
１軒だけ黒のJ-45を置いてあるリアル店舗を
発見しました。
ですが、コロナで休業中です。
問い合わせ先があったので
開店した暁には最初に試奏できるよう
予約でもできたらいいなあ・・・
と思って電話したら、
１日一組、１時間程度、
希望の方には鍵を開けますので
よろしかったら来てください、
とのことでした。
おおっと。
いきなり意外な展開にちょっとおじけづいたものの、
今日１時間ほど店を開けてもらい
試奏に行ってきました。
狭いお店には
中古を中心に
たくさんのギターが並べられています。
コロナ対策で窓という窓は全開にして
お互いマスクを介して
お話が始まりました。
店を一人で切り盛りしているマスターのＥさんは、
５５歳。
僕の２つ下。
中学生からギターをやっていて
美大を出た後やはり音楽に関わりたいと、
バンドをやりながら某有名楽器屋さんに就職。
２０年以上働いたようですが
バンドで食っていくには難しく、
楽器屋になるのならアコギに特化したいと、
７年前にここ（神保町）にお店を構えたとのことです。
バンドは今も続けているようです。
そんなマスターを前に
ボロンボロンと下手な音を出すのは
あまりに緊張しましたが、
弾くとHeadwayとは明らかに違うのがわかります。
とにかく低音が腹に響く。
うわっと、スゲー～！
なんて思っていたら
前にいたマスターが
低音がいいですね～。こっちまで響きますよ。
これだったら生音でライブもできますよ。
って、いやいやそんなつもりはないですから！
せいぜい家で二匹の猫を前に
猫ふんじゃったを披露するぐらいですから！
なんて返したものの、
なんだかちょっとうまくなったような気もして
数少ないレパートリーのうちのいくつかを
思う存分披露してしまいました。
（ああ、恥ずかしい💦）
すると
ほかのギターも弾いてみてください、といって、
もう一本ギブソンのハミングバードというギターを
出してくれてたのですが、
弾いてみたらこちらは超きれいな音色を奏でます！
同じメーカーでもこんなに違うんだ・・・
一瞬迷いましたが、
きれいな音を奏でたいときは「Headway」、
ガシガシかき鳴らしたいときは「Gibson」と、
初志貫徹、
「Gibson J-45」に決定です。
これが憧れの「Gibson J-45」です。
個体として当たりかどうか、
そんなことは僕のような素人にはわかりません。
ただカッコイイし、ズドンと低音が響きます。
もっともっとラウドな感じになるよう
弾き倒したいと思います。
そういえばマスターが言っていました。
「お店の客は９割が５０～６０台の男性です。
５０台になって子供がやっと手離れし
経済的にも時間的にも余裕が出てくると
みなさん昔を思い出してアコギを弾きたくなるようです。
それで１０年も弾くと指が動かなくなって
あまり弾かなくなり、
買取して欲しいとうちに持ってくるんです。
来たら来たで並んでいるギターを見ると
また欲しくなって
別のギターを買って行ってくれるんです。
結局うちはそれで商売が回っているんです」
と笑っていました。
もしも弾き倒せなくなったらここに持って来よう。
僕らの次世代に
この音をバトンタッチしていけばいいんだ。
コロナの緊急事態宣言が
５月末まで伸びましたが、
自分の人生は伸ばせない。
明日から自分はラウドになります！
