週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

『五十八歳、山の家で猫と暮らす』という本を読みました。

東京に戻ると

とたんに八ヶ岳の山小屋が恋しくなって

八ケ岳に関する

過去の雑誌や書籍を引っ張り出して読んだり、

本屋に行ってアウトドアや住まい、

インテリアなどの棚を覗いたりしてしまいます。

 

最新の「八ヶ岳デイズ」はまだのようですね・・・。

 

そんな中、新聞記事で、

『五十八歳、山の家で猫と暮らす』という、

イラストレーターの平野さんが書いた本が紹介されていて、

妻がそれを図書館で借りてくれました。

平野さんのイラストは

以前仕事で参考にさせていただき

印象にありましたが、

それが平野さんという方なのかどうかは

忘れてしまっていました。

ましてや彼女が

八ケ岳南麓を居場所にしているとは

思いもよりませんでした。

五十八歳、山の家で猫と暮らす | 平野 恵理子 |本 | 通販 | Amazon

 

山小屋の場所はたぶんすぐ近く。

年齢は同じ。

猫を飼っていることも同じ。

孤独を愛することも同じ。

 

むさぼるように読み始めました。

 

その中でとても印象に残っている言葉がありましたので

本を返却する前に残しておこうと

ご紹介します。

 

映画評論家の町山智浩さんが

ネットで配信興味深い話をしていた。

人は、大人になるためには

決定的な儀式を経なければならない。

~中略~

親や周りの大人たちに守られてきた子供の自分を、

一度殺してからでないと

決して人は大人になれないのだと

町田さんは話していた。

大人になるということは、

自分をかばってくれる人のいない場所で、

一人で生きていくこと。

~中略~

誰も自分を知らない場所で、

友達をつくることができるのか。

世界に対して自分は何者かと示し、自問する。

そうして自分を確立する機会をもたなければ、

年齢だけ大人になっても、

真の大人になるのは不可能なのだという。

~中略~

この年齢になって今更と思うが、

いい機会だと思う。

ほとんど誰も自分を知らない場所で、

友達をつくり、

庭を造り、

心豊かに生きていこうではないか。

 

都会で育った彼女が

亡き母が愛した山小屋に3年前に越して綴った

その宣言ともいえる言葉が

何故かグサリと心に刺さりました。

 

コロナ禍のせいか

地方に移住する人が増えて

メディアなんぞもこぞって

そのメリット・デメリットを、

書き連ねていますが、

移住とはメリデメで

判断することではないのだと思います。

”覚悟”があるかないかで

そこでの暮らしの幸せが決まるのだと思います。

 

ご近所付き合いが大変だとか、

虫が出るとか、

ガソリンや灯油代がかかるとか、

そんなネガティブな話なんぞ

吹き飛ばせる覚悟ができて初めて

田舎に暮らす醍醐味がわかるのだと思います。

 

彼女は八ヶ岳南麓に住居を移してから

クルマの免許を取ったようです。

 

まだこの本を読み終えていませんが、

大事に丁寧に読み解いていこうと思っています。