明日東京に帰ります。
昨日がとても忙しかったので
今日は家でのんびり過ごすことにしました。
曇ったり晴れたりのまずまずの山の天気。
今年は毛虫がやたら出た年だったそうで
うちの雑木林にも
あちこちでっかい毛虫が
よく見ると木肌に隠れるようにへばりついていました。
そのせいでしょうか、
蛾も多い。
家の軒下にはあちこち蛾が止まっていたり
サナギなんかもくっついていたりするので
長い木の棒で取り払っていたら、
やたら大きな塊がありました。
なんだこれ?
と思って突いてみたら
ブンブンと蜂が飛び出してきました。
やばい!!
襲い来る蜂から逃げるように
リビングに逃げ込み、
かろうじて事なきを得ました。
しかしこのまま放っておくわけにはいきません。
見たところサイズの12~13センチほどの巣で
殺るなら今のうちです。
すぐさま綿半に向かい
「ハチアブマグナムジェット」というのを買いました。
ジェット噴射で12メートルぐらい先まで届くとか。
蜂の巣は3メートルぐらいの高さにあるので
十分です。
蜂は夕方から夜にかけて巣に戻りおとなしくなるので
その頃がねらい目で、
白の雨がっぱや長ぐつ、手袋、帽子で身を固めること、
とネットにありました。
ほぼその通りにして
夕方5時半、小雨が降る中、
蜂の巣退治、雨天決行です。
「ハチアブマグナムジェット」の使い方は
レバーを90度開けばピストルのようになります。
おおお~!
戦闘気分をかりたててくれますね!
さあ、これで軒下に行って身構え、
一気に噴射。
蜂が暴れ出しても恐れずに噴射し続けること、
とあったので、
気合を入れて噴射したのですが、
蜂が暴れる姿は見られず、
45秒で缶は空になりました。
辺りは暗かったので
蜂が退治されたかどうか目視できませんでしたが、
うごめいている様子がないところを見ると
成功したのだと思います。
でも同時に、
一生懸命巣作りをして子供を産んで
繁栄しようとしていた命を、
巣ごとに絶滅させてしまった罪悪感に襲われました。
その夜は精をつけようと鰻を食べるつもりで
冷凍鰻を解凍していたのですが、
なんとなく食べる気にならず、
昼に茹でたパスタの残りを
ニンニクと唐辛子とピーマンで炒めることにしました。
スキレットにオリーブオイルを敷いて
手をかざして熱くなったところに
潰したニンニクひとかけと、
乾燥唐辛子を刻んで耳かき2杯ほど、
さらに道の駅で買った採れたてのピーマン1個を
ざく切りして入れて、
ニンニクが茶色くなる程度に炒めます。
いい香りが立ってきました。
そこに昼の残りのパスタを入れて
ハーブソルトとブラックペッパーをふりかけ
混ぜ合わせます。
いわゆる、ペペロンチーネですね。
おいしい~!
ピーマンの苦みと唐辛子の辛さが相まって
どこぞのレストランで食べるペペロンチーネより
うまいではありませんか。
欲を言えばこれに色気、
例えば赤いトマトとかが載っていれば
完璧だったでしょう。
ペペロンチーネは
イタリアではあまりに簡単に出来ることから
貧乏食ともとらえられているようです。
日本でいえば
卵かけご飯みたいな存在なのでしょうか・・・。
でも卵かけご飯もその奥義は深く、
醤油の量とか混ぜ具合とか
ちょっとしたこだわりが味を大きく左右します。
それと同じで
夏の採れたての苦みの効いたピーマンを入れたのが
良かったのだと思います。
蜂が自分の家に巣を作ったからといって
天敵扱いしたら、
人間の家なんぞは地球にとっては天敵でしょう。
何の罪もない命を家ごと奪ってしまい
何も作る気持ちになれず
あるもので作った料理でしたが、
そのシンプルなおいしさに
元気が戻ってきました。
ほろ苦さと辛さに
ピリッと心が刺されたような夕飯でした。