週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

ひとり鉄鍋 ~夏ピーマンのほろ苦ペペロンチーネ~

明日東京に帰ります。

昨日がとても忙しかったので

今日は家でのんびり過ごすことにしました。

 

曇ったり晴れたりのまずまずの山の天気。

今年は毛虫がやたら出た年だったそうで

うちの雑木林にも

あちこちでっかい毛虫が

よく見ると木肌に隠れるようにへばりついていました。

 

そのせいでしょうか、

蛾も多い。

家の軒下にはあちこち蛾が止まっていたり

サナギなんかもくっついていたりするので

長い木の棒で取り払っていたら、

やたら大きな塊がありました。

なんだこれ?

と思って突いてみたら

ブンブンと蜂が飛び出してきました。

 

やばい!!

 

襲い来る蜂から逃げるように

リビングに逃げ込み、

かろうじて事なきを得ました。

 

しかしこのまま放っておくわけにはいきません。

見たところサイズの12~13センチほどの巣で

殺るなら今のうちです。

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すぐさま綿半に向かい

「ハチアブマグナムジェット」というのを買いました。

ジェット噴射で12メートルぐらい先まで届くとか。

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蜂の巣は3メートルぐらいの高さにあるので

十分です。

 

蜂は夕方から夜にかけて巣に戻りおとなしくなるので

その頃がねらい目で、

白の雨がっぱや長ぐつ、手袋、帽子で身を固めること、

とネットにありました。

 

ほぼその通りにして

夕方5時半、小雨が降る中、

蜂の巣退治、雨天決行です。

 

「ハチアブマグナムジェット」の使い方は

レバーを90度開けばピストルのようになります。

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おおお~!

戦闘気分をかりたててくれますね!

 

さあ、これで軒下に行って身構え、

一気に噴射。

蜂が暴れ出しても恐れずに噴射し続けること、

とあったので、

気合を入れて噴射したのですが、

蜂が暴れる姿は見られず、

45秒で缶は空になりました。

 

辺りは暗かったので

蜂が退治されたかどうか目視できませんでしたが、

うごめいている様子がないところを見ると

成功したのだと思います。

でも同時に、

一生懸命巣作りをして子供を産んで

繁栄しようとしていた命を、

巣ごとに絶滅させてしまった罪悪感に襲われました。

 

その夜は精をつけようと鰻を食べるつもりで

冷凍鰻を解凍していたのですが、

なんとなく食べる気にならず、

昼に茹でたパスタの残りを

ニンニクと唐辛子とピーマンで炒めることにしました。

 

スキレットにオリーブオイルを敷いて

手をかざして熱くなったところに

潰したニンニクひとかけと、

乾燥唐辛子を刻んで耳かき2杯ほど、

さらに道の駅で買った採れたてのピーマン1個を

ざく切りして入れて、

ニンニクが茶色くなる程度に炒めます。

 

いい香りが立ってきました。

そこに昼の残りのパスタを入れて

ハーブソルトとブラックペッパーをふりかけ

混ぜ合わせます。

いわゆる、ペペロンチーネですね。

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おいしい~!

ピーマンの苦みと唐辛子の辛さが相まって

どこぞのレストランで食べるペペロンチーネより

うまいではありませんか。

 

欲を言えばこれに色気、

例えば赤いトマトとかが載っていれば

完璧だったでしょう。

 

ペペロンチーネは

イタリアではあまりに簡単に出来ることから

貧乏食ともとらえられているようです。

日本でいえば

卵かけご飯みたいな存在なのでしょうか・・・。

でも卵かけご飯もその奥義は深く、

醤油の量とか混ぜ具合とか

ちょっとしたこだわりが味を大きく左右します。

それと同じで

夏の採れたての苦みの効いたピーマンを入れたのが

良かったのだと思います。

 

蜂が自分の家に巣を作ったからといって

天敵扱いしたら、

人間の家なんぞは地球にとっては天敵でしょう。

 

何の罪もない命を家ごと奪ってしまい

何も作る気持ちになれず

あるもので作った料理でしたが、

そのシンプルなおいしさに

元気が戻ってきました。

 

ほろ苦さと辛さに

ピリッと心が刺されたような夕飯でした。 

 

ママのための自然派ダニスプレー