仕事をかかえながらも
八ケ岳に来ています。
庭の雑木林はほんのりと紅葉し始めています。
八ケ岳は底が抜けたような青空に向かって
どっしりと秋を受け止めていました。
こういう日は何故か腹が減る・・・。
八ケ岳の友人のYさんの奥さんから
味も量も抜群のカフェがあるかるから行ってみて!
と言われていたカフェに
行って来ました。
「CAFE GOYA NOHARA」というお店です。
なんと土曜日しか営業しておりません。
名前にある小屋はとてもいい感じにエイジングされていて
なかなか素敵な佇まいです。
見るからに丁寧に手作りした、
その見えない時間が滲み出すような白い小屋。
予約した11:30きっかりにお店に入りました。
ご主人(シェフ)が一人で迎えてくれて、
僕らは窓際の2人用テーブルに案内されました。
店内を見渡すと
この席のほかに4人掛けのイスとテーブル、
カウンター席が3席。
9人がMAXの小さなお店です。
目の前にはなんとアラジンの石油ストーブが。
ああ、これ僕が今欲しいストーブ!!
薪ストーブもいいのですが
このアラジンの丸いストーブは控えめな感じと
漂うノスタルジーが男心をそそります。
これ、リビングに似合うんですよね~。
というわけで、
ここは食事をする場所というより
本を読んでくつろぐようなお店なのです。
さて、メニューはというと
おまかせランチ(1100円)のみです。
今日は海老のグラタンでした。
注文して間もなく、常連さんらしき2組のお客さんがやってきて
あっというまに満席になりました。
そのあと2、3回ほど予約の電話が鳴っていましたが
申し訳なさそうにお断り。
予約必死のお店です。
それにしても注文してから料理が来るまでの時間が長い。
お店に置いてあった「八ヶ岳デイズ」や
「天然生活」などを読んでいたら眠くなりました。
うとうととし始めた頃に
スープとおかずのプレートがやってきました。
お腹が空いていたので
ガツガツ行きそうでしたが、
メインのグラタンがやって来るのを待とうと
ゆっくりゆっくり自分を制御しながら食べました。
おいしい!!
ヴィーガンとかマクロビとかオーガニックとか
特別謳っているわけではないのですが、
全てが優しく口に合う。
少し食べたところに白いご飯が来ました。
このご飯が、おかず以上においしい!!!
見た目でわかると思います。
地元で収穫された新米なのでしょうか。
柔らか過ぎずほんのり芯が残っていて
大好きなアルデンテの炊き立てご飯。
噛めば噛むほど甘みが口の中に広がってきます。
おかずもご飯も半分くらいなくなったところに
メインの海老グラタンがやってきました。
玉ねぎとブロッコリー、それに小海老が、
シルクのようなチーズクリームに包まれて
口福極まれり。
グラタンとはフランス語で引っ掻くという意味ですが、
文字通り削り取るように平らげました。
すべてを完食しお腹が膨れたところに
デザートの梨が3切れやってきました。
予想をしなかったデザートに思わず興奮。
とっても甘い梨で
一気に別腹に収まっていきました。
そうして最後にドリンクのココア。
ドリンクはコーヒー、紅茶のほかに
ジュースやカフェオレなど、
いろいろ選ぶことが出来ます。
「これ、よろしかったらサービスです」と言って、
ドリンクの横にはウェハースが乗っていました。
どこまでサービス精神にあふれているのでしょう!
手作りの布製のコースターに乗ったウェハース付きココアは
マスクで隠れたご主人の笑顔を想像させてくれました。
気がつくといつの間にか一時間以上経っていました。
ギター音楽のBGMを聞きながら、
雑誌を読んだり、テーブルの上で揺れる木漏れ日を楽しんだり、
ここには普段のお店にはない時間が流れています。
お店の切り盛りは
ご主人一人でやっているようでした。
時間がかかるのは当たり前です。
でもそれを逆手にとってゆったりとしたひとときを
提供してくれる「CAFE GOYA NOHARA」は、
催眠術にかけられたような不思議な場所。
おいしいカフェがたくさんある八ヶ岳ですが、
こんな風に時間を操るカフェは
初めての体験でした。
知る人ぞ知る、教えたくないけど教えます。
間違いなく八ヶ岳の穴場です。