週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

老後の生活費は世間の標準を気にせず学生時代のように

先だってもそうだったのですが

元会社の同期や

同じ年代の仕事仲間と話をしていると

雇用延長に応じるか応じないか、とか、

年金生活になる65歳までどうするか、とか、

ひいては年金はいくらもらえるのかとか、

そんな話になったりするのですが、

やっぱりそれは「老後2000万円問題」というのが

クローズアップされたからです。

 

アリとキリギリスでいえば

僕の周りはキリギリスみたいな連中ばかりなのですが

そんなことを真剣に話し始める

アリになったキリギリスが

意外だったりします・・・💦

 

ところで自分はというと、

たぶんアリ。

 

一つのベースとなる数字があります。

 

「ひとり月11万」という数字です。

 

今から約40年ほど前の大学生時代の頃。

僕は実家を離れ片田舎の大学に行っていたのですが、

その時の毎月の収入はというと、

仕送り8万円(親は大変だったろうな・・・)

+アルバイト約3万円の約11万でした。

(ただし学費は除きます)

 

11万の中からアパート代に27000円、

電気やガスなんぞも合わせると

住居に約3万円、

残りの8万円で

他のすべてをまかなっていました。

 

昼と夜は家に戻って納豆ご飯とかチャーハンをつくったり

学食で300円の定食を食べたり。

その分ときどき定食屋や喫茶店なんぞに行って

800円ぐらいの学生向けハイカロリーな定食や

500円のコーヒーを飲んだりする贅沢が

嬉しかった。

 

本が好きだったのですが

買うのはもったいないので

友達のアパートに行っては

面白そうな本を貸し借りしていました。

それはそれでへたに図書館にこもるより

新しい発見があって楽しかった。

 

音楽を聴くのも好きでした。

当時はレンタルレコード屋さんがあって

いつもは1枚100円とか200円ぐらいで借りて

カセットテープに録音していましたが、

どうしても欲しいレコードがあると

毎日レコード貯金をして

2800円のLPを買う、というのが楽しみでした。

 

服はというと基本無頓着で

当時はデザイナーズ・ブランドなんぞが流行していましたが、

僕は最低限のシャツやパンツがあれば

それでもう十分。

 

しかし一方で僕はクルマを持っていました。

30万で買った三菱ミラージュというクルマで

オンボロボロで

時速70キロ以上出すと変な異音がして

アクセルを踏んでも加速しない状態でしたが、

それに乗ってカセットをかけて

のんびりひとりあちこち遠出するのが楽しかったです。

 

アルバイトの収入が多かった月は

居酒屋やカフェバーなんぞに行って

気取ったり大騒ぎしたりもしました。

たかだかいつもより5000円とか6000円多い、

その程度でしたが

それはそれはボーナスが出たような嬉しさでした。

 

料理、洗濯などは苦にならない性格なので

その当たり前の毎日に

LPを買うとか喫茶店でコーヒーを飲むとか

ひとりクルマを走らせるとか、

カフェバーに行けるとか、

それがとても贅沢なひと時で

いま思い出しても

楽しかったなあ・・・という記憶が残っています。

 

ですので、

なんとなく僕には

「月11万あればそこそこ楽しい」

という基準があるのです。

 

さて、年金問題にもどります。

 

学生時代と今を比べるのは無理があるでしょう。

今でしたら社会保険のこと、病気のこと、

やがて来る介護のこと、自分の葬式のことなど

そう言った支出を見なくてはいけないので

まあ、プラス5万程度は

毎月余分に必要なのだろうと思うのですが、

(85歳まで生きたとして

5万×12ヵ月×20年=1200万ぐらいかなあ・・・)

そうすると月17万程度になります。

 

この「月17万」というのは

老後一人暮らしするのに最低限必要、

とされている数字と一致し、

旅行をしたりおいしいものをたべたり、

趣味や娯楽などを入れてゆとりある老後を目指すのなら

24~25万程度が必要と言われています。

 

夫婦二人の場合は

老後最低限かかる数字=月27万。

ゆとりある老後を目指すのなら=月36万。

ということらしいです。

 

話題になることが多くなってきたので

やっとこさ年金定期便などに目を通すようにしているのですが、

僕はサラリーマンを途中でやめたりして

国民年金だけの時代もあるので、

会社員を40年間勤めあげた人に比べたらぐっと低いですが

なんとなく学生時代に近い金額のようです。

 

まあ、

だから後は自分の終活にかかるお金(1200万程度)と、

二匹の猫には幸せな一生を送って欲しいと思うので、

そこだけ頑張れば

もう必要十分なのかな、、、。

 

「老後最低限に必要な金額」

とか言われるとジリ貧生活を想像し焦るし、

「ゆとりある老後を過ごそうと思ったら」

と言われたらそれを目指してしまうのが

人間の性というものでしょうが、

僕には学生時代に楽しかった

「月11万生活」

というのが体に染みついているので、

「最低限に必要な金額」でも

楽しくやっていけると

ぼんやり感じています。

 

言いたかったことは

僕の年金が平均より高いかとか低いかとか、

11万で事足りるとか、

そういうことではありません。

お金はなかったけれど

喜怒哀楽がたくさんあった学生時代を思い出せば

老後を楽しく過ごすのはお金じゃないんじゃないか、

ということ。

考え方次第で

自分の身の丈にあった暮らしが出来るんじゃないか、

ということです。

 

もちろんそんなふうに振り返られるような

学生時代を過ごせたこと自体

恵まれていたのかもしれませんが・・・。

 

老後は夫婦二人、八ケ岳で、

あまり世間に惑わされずに

学生時代のように過ごそうと思います。