妻のいとこの旦那さん、Tさんが
クルマのエンスーでして
行きつけのクルマ屋さんがあるのですが、
ずっと行ってみたくて
昨日彼の後をついて行ってみることに。
大田区にある「アウトレーヴ」というガレージです。
住宅街にある小さなガレージですが
何十年も前のシトロエン、フィアット、ルノー・・・
とんでもないクルマが修理中で何台かあって、
目の前の駐車場にもとんでもないクルマが並んでいて、
そちらはというと
週末になるとここに集まる仲間たちのクルマです。
これはミニというのがわかると思いますが、
中身は全然別物です。
ウェーバーのキャブレターを乗せ換えて
エンジンから内装まで全部入れ替えています。
10年後ぐらいには使用禁止になっているような
エンジンだろうな・・・。
このクルマは何かというと、
チェコスロバキアの「シュコダ」というクルマです。
戦前からある財閥系のメーカーで
今では戦車なんかも作っているような工業コングロマリット。
日本でいうと三菱みたいなものでしょうか。
こんなのカーセンサーなどには絶対出てこないクルマで
しばし見とれてしまいました。
そのほかに1920年のシトロエンを始め
CSやDS、アルファロメオジュリエッタ、チンク、
オードリーヘップバーンの映画にも出た
ビアンキなんぞが置いてあり、
我々のようなクルマ大好きおっさんたちの目を
釘付けにしてくれます。
午後2時ごろに行って初めましての挨拶をしたのですが、
もう10秒後には仲間にようになってしまい、
元女性社長のAさんを囲んで
集まってきたお客さんたち10人ぐらいで
クルマ談議が始まりました。
びっくりしたのはお客さんみんな
結構初めて同士だったりするのですが
だいたい僕と年代は一緒。
スーパーカーブームにドはまりした世代。
今日はエンジンがかかってよかったなあ、とか、
昨日は道の真ん中で止まったので
端まで押したとか、
今のクルマって鍵を差し込まなくても
エンジンがかかるんだってよ、とか、
久しぶりに日本車に乗ったら
天国かと思った、とか、
そういう話を楽しそうに披露。
もうほとんどバカです。
そんなバカに混じって
僕が社会人になって最初に買ったクルマは、
フィアットの131だと言ったら、
おおお~!と歓声が上がり、
よくぞバカが来てくれた!とばかり、
コーヒーのおかわりを出してくれました。
一気に仲間になってしまいました。
Rさんが
いじくりまくった
ミニもどきのクルマ(写真のクルマ)の鍵をくれて
ちょっと乗って来て見てよ、というので
周囲をチョイ乗りしたら、
車内にはオイルとガスの匂いが漂い
キーをひねるとその爆音たるやすさまじい。
久しぶりのマニュアルシフトを1速に入れて
スタートさせたら、
ハンドルの重いのなんのって。
2分もしないうちに汗をかき始めました。
広い国道に出て2速に入れて
思いっきりアクセルを踏み込むと、
ブワーンという音が3000回転あたりから
ジャキーンという音に変わり
うひゃ~!快感!!
スピードメーターは動いてないので
時速はわかりませんが、
全然早くないのすごい早いと思いました。
これだ・・・
これがクルマの面白さだよ・・・
こんなクルマで八ヶ岳のワインディングを走ったら
最高だろうな・・・。
アドレナリンが出っぱなしの試乗を経て
すっかり眠っていたクルマ遊びへの目が覚めてしまいました。
やばいよやばいよ~。
ガレージに戻ってみんなの話の輪に入ったら、
多分お金に余裕もある人もない人もいるのだろうけど、
そういうのを一切表に出さずに
ひたすら少年のようにキャッキャ言っている姿が
妙に楽しかった。
なんとかやりくりして、クルマを楽しもうとしている感じ。
自分が忘れていた感じだなあ・・・と思いました。
ガレージにはフェンダーのストラトキャスターが2本、
壁にはAさんの描いたアートが何枚も飾ってある。
Aさん、実は画家でもあるんですね。
このお店はクルマ屋さんというより
クルマを通じて芸術や音楽や哲学や
そんな文化を楽しく語り合うサロンのような場所。
Rさんが
ここは僕にとってのサードプレイスなんだよね、
と言っていたのがよくわかります。
そうなんです、この年代になると
サードプレイスが欲しくなるんですね💦
山小屋ばかりに目がいっていたけれど
東京でもくつろげる場所を見つけたような気がして
とても楽しかった週末でした。