ずっと降り続けた雨に
大気中のごみはすっかり落とされ
木漏れ日の雑木林は
混じりけのない清々しさに満ちていました。
デッキに椅子とテーブルを出してコーヒーを飲みながら
さて、今日はどうするか・・・
と目の前の雑木林を眺めてひとしきり考えていたら、
ふと八ヶ岳倶楽部の雑木林はどんなふうだろう?
と気になって
八ヶ岳倶楽部に行ってみることにしました。
八ケ岳倶楽部の雑木林は本当に見事です。
雑木林という名の芸術的な庭です。
その庭をひとしきり散歩したあと
ショップを覗いてみました。
すると色とりどりのかわいいレインコートが
所狭しと並べられていました。
きれいな色・・・
そう思って見ていたら
店員さんがやってきて、
「このレインコートは『K-WAY』というフランスのブランドで、
今はイタリアに工場があるのかな・・・
ヨーロッパでは人気の定番アイテムです。
でもコロナで生産が思うようにいかず
日本への販売は撤退し
ヨーロッパだけで展開することになりました。
もう手に入らないのではないでしょうか・・・。
倉庫にあったものをここが全部引き取ったので
多分全国でもこんなにたくさんの『K-WAY』があるのは
ここだけだと思いますよ」
と案内してくれました。
イタリアと言えばアバルトではないか!
入手困難と言えば価値が上がるではないか!
20%ほど購入意欲が湧いてきて
試着することにしました。
僕の体形に合うのはMサイズでした。
でも気に入ったネイビーがMサイズにはもうない。
黒が4着ほど、白が2着ほど、そしてブラウンが1着のみ。
「このブラウンは太陽の下だとゴールドに見えておしゃれですよ」
と言われ着てみたら
確かにおしゃれではある。
でもペラペラの薄いレインコートに
13000円(税別)はちと高いわなあ・・・
ということであきらめようとしたその瞬間
背後から声がしました。
「こんにちは。そのレインコートはいいですよ~!」
振り返ると柳生博さんではありませんか💦
かなりお歳を召していましたが
すらりとしたお体と
しっかりした話口調は
まるで歳を感じさせませんでした。
「こんにちは!これ素敵な色ですね。
でも薄いから今ならではのコートですよね」と聞いたら、
「そんなことないですよ。
防水、防風ですのでインナーを着れば冬でも大丈夫ですよ」
と言われました。
購入意欲が40%に上がってきました。
「でもこれはおしゃれな色使いなので
どちらかというと街で着る感じですかね」と聞いたら、
「もちろん街にもいいですが
ちょっと庭仕事、なんて時には重宝します」
と言われました。
購入意欲、60%へ上昇。
「でもうちは庭というより
この八ヶ岳倶楽部のような雑木林でして
高枝を伐ったり伐根したり下草を刈ったり
そんなことが多くて・・・」と言ったら
柳生さんの目がカッと開いて
「いや、雑木林だったら一番合ってます!
僕は雑木林の中で作業する時はいつもこれです。
5着持ってます」
とのこと。
ええ~!5着も!?
そんでもって雑木林に一番合うって!!!?
そう聞いたらもう購入意欲100%MAXになっていました。
13000円を1着で迷っている自分が情けない・・・。
大尊敬していた柳生さんが愛しているパーカーなら
きっとうちの雑木どもも
喜んで枝葉を伸ばしてくれるに違いない!
というわけで
それから5分後には
「着て帰ります」と言って着ていました。
これがその「K-WAY」です。
ジッパーの色遣いがいいんです!
八ケ岳は晴天率が高いですが
やはり山です。
突然曇ったらと思うと雨が落ちてきたりします。
ここでこの「K-WAY」を着こなし
雑木仕事に飽きたらアバルトを飛ばす。
ちょい悪を夢見ながら
今日はウイスキーをちょい割るでいただこうっと。