夏真っ盛りの今日。
ずっとこもっていた仕事に一区切りついたので
昼飯でも食べようと外に出た。
コンクリートジャングルのここ四谷は
おそらく40度を超えているだろう熱射が
地面からむわっと立ち上って来る。
こんな日に食べたい食べ物は冷たい麺系だ。
中でもここ四谷のような場所で
熱射にまみれて食べるとうまいのが
冷やし中華である。
冷やし中華は何故か八ケ岳では食べたいと思わないが
東京では食べたいと思う。
行ったお店は四谷の駅から徒歩5分ほどにある
「俵屋」という街中華のお店。
どこにでもある冴えないお店なのだが
ここの冷やし中華はこういう日に旨い!
11時過ぎに店に入ると
客は誰もいない。
奥のテーブルで
オーナーとその娘さんらしき女性が
黙々と餃子を作っていた。
店は脂ぎっていたが
窓という窓が全部開け放たれているせいか
爽やかな暑さを醸し出している。
昭和な扇風機が回っていたせいかもしれない。
冷やし中華とご飯もののセット
(天津丼やカレーライス、チャーハンなど)が
すべてセットで800円なのだが、
僕にはちょっとヘビー。
単品の冷やし中華を注文した。
これこれ!
これぞ街中華の夏の真骨頂!
トマトなんぞしゃれたものは入っていない。
きゅうり、もやし、ワカメ、紅ショウガ、
それに茹で卵とチャーシューが1枚乗っている。
からしはこれでもかというぐらいたっぷり。
冷たくしようと氷を載せる冷やし中華も多いが
そんなしゃれたことしない潔さ。
その分東京の水で締めた麺はぬるいが
それが意気ってもんよ!
どんつきのテレビでは
野球中継ならぬオリンピック中継が放映されている。
夢中になって麺をすする僕以外
客もいないしうるさい音もない。
ただただ扇風機の音とオリンピック中継の音が
聴こえてくるだけ。
いいなあ・・・こういう夏。
僕の小さい頃にはなかった夏。
都会でなきゃ味わえない夏。
八ケ岳には似合わない夏。
明日から5日ほど八ヶ岳に行くが
その前に東京の夏を味わう。
冷やし中華が
仙台か東京・神田かは定かではないが、
昭和初期の日本が発祥の地だったことを思い出しながら
アイスコーヒーを求めてまた四谷をぶらつく。