日曜日の八ヶ岳。
月曜日から仕事がある人は
一斉に東京に戻る日です。
僕は会社勤めではないので混雑を避けて
月曜日に東京に戻ることにしているのですが、
そうできる自分を嬉しく思う反面
心のどこかで
微かに置いてけぼりにされる寂しさがあるのは
会社員の名残なのかなあ・・・。
それとも夕方からは雪が降るという
ニュースのせいでしょうか・・・。
なんだか肌寒い体を暖めたくて
「NICE TIME CAFE」にクルマを走らせました。
名前はよく聞くお店です。
そのせいか
絶対に行ったことあると思っていて、
でも名前と風景が一致しなくて
行ったら思い出すだろう・・・
と思って行ったら
初めて行くカフェだと知りました。
扉を開けると意外や意外
ほぼ満席で
僕は入り口入ってすぐの3人掛けのテーブルに
案内されました。
着席するとそのテーブルと椅子は
使い古された生成りの色が
窓からの弱い光を
微かに反射させていました。
ブラックコーヒーというより
カフェオレという気分・・・。
頼んだカフェオレは
大きいカップにいっぱい入っていて
ほんのりした甘さが
体を芯から暖めてくれました。
クルマの音がしてふと顔をあげると
日産ブルーバードでしょうか。
国産のビンテージワゴンが止まって
4人ほどの若い男女が下りてきました。
ナチュラル系の服を着て
毛糸の帽子をかぶった姿が
八ケ岳の冬のライフスタイルを物語っています。
どんな話をするのだろうか・・・
なんて微かに期待をしていたら
店内が満席なのをガラス越しに見て
諦めて去っていきました。
去っていくときのビンテージカーの後ろ姿を
妙にかっこいいと思って
視界から消えるまで眺めていました。
暖房の効いた暖かい個室を独り占めし
本棚にあった雑誌「nice things.」を
手に取りました。
表紙に添えられたサブタイトルは
「旅が教えてくれること」。
ふと沸き起こる
自由であることの寂しさを
思い出したように飲み込むカフェオレが
せっせと穴埋めしてくれる
不思議なNICE TIMEでした。