今年の春も
八ケ岳の山小屋の雑木林は
黄色、緑、ピンクと色めいてきました。
玄関前のスイセン。
南斜面のボケ。
東側のハナズオウ。
庭全体に点在するムスカリ。
ほかにもドウダンツツジやゲンカイツツジなどが咲いていて
さらに目を上げると
芽吹き始めた高木の淡い緑色の絨毯の中
ほんのりと薄いピンクの山桜の花が
ポコポコと顔を出している様子に
ああ、今年も1年幸せになるぞ!
なんて元気をもらったりします。
なんて思って庭を眺めていたら
近くのKさんが犬の散歩で通りかかりました。
「いよいよ春ですね~」
と声をかけたら、
「今年の冬は寒さのせいで
結構植物がダメになった例が多かったらしいですね。
例えばあのコニファーとか・・・」
といって
はす向かいの家を指しました。
見ると永遠に美しい緑だと思っていたコニファーが
茶色になって枯れていました。
全然気が付かなかった僕はびっくり!
するとKさん曰く、
「寒さもそうですがそれ以上に乾燥して
冬場に水を吸い上げられなかったj樹木が
結構あったみたいですね」
と教えてくれました。
ふと気が付いて
Kさんと別れたあと
自分の雑木林を見渡しました。
目を凝らすと
これまで永遠だと思っていた木々の緑が
茶色になって枯れているのを発見しました。
これはサツキです。
2年ほど前から樹勢が勢いをつけて
これはでかくなるぞ~なんて思っていた矢先の事。
ショックです。
他の場所にもサツキはあるのですが
どれも株の半分は茶色になっていました。
そしてこれがハマナスです。
これも年を追うごとに大きくなっていくのがわかっていただけに
ショックです。
でもよく見ると根っこの方に
小さな若い芽を見つけ、
まだ生きていたと思うと
ちょっとうるっときました。
このほかにも
カタクリが毎年咲いていた場所で咲かないとか
ヤマユリの芽が出てこないとか
去年までの春の庭とは違っていることに
次々と気が付きました。
人間社会でも
「この冬越せるかどうか・・・」
なんて言葉が飛び交う時がありますが、
冬を越して
命を春につなげていくことの大変さを
急に自分ゴトのように感じられました。
毎年冬を境に
色々な命が死んだり生まれたりしています。
春の淡い色どりは
夏へ向けての躍動感とともに
そんな命のはかなさも感じさせる
寂しさも持っているように思います。