週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

木原千春さんの個展「Vitalism X」に行ってきた

大好きな芸術家、

木原千春さんの個展「Vitalism X」が

湯島のギャラリー「roid works gallery」にて開催されていて、

1/9(月)の八ヶ岳からの帰りに寄ってきました。

千春さんの個展はほぼ毎年この時期にこの場所で行われており

僕が行った個展は

1/7-1/15まで開催されている第2部になります。

 

彼女の作品のモチーフには猫が多く、

そのほかにフクロウや鴉、蟻、ウサギなどの生き物がありますが、

そのほかに最近ではポートレートや

写楽やアインシュタインなどの人物画も増えています。

 

僕は彼女の作品を数年前に見て一目で好きになり

それ以来個展には欠かさず行き

アトリエまで訪ねたこともあるほどのファンです。

 

年を追うごとに粗削りなところは薄れ

洗練されていくという流れは

どんなアーティストにもある進化の過程ですが、

その進化の過程で本質的なメッセージは衰えておらず、

それどころか徐々に燃え盛っていくというのは

ほかの作家ではなかなか見られないことだと思います。

 

例えばこれは2017年に描かれた猫。

purple cat 2017 oil on canvas F4

 

そしてこれが今回発表された猫。

 

ではそこに通底する本質的なメッセージは何かというと、

生きるチカラにほかなりません。

「Vitarism」というタイトルにあるとおり

描かれたモチーフからはものすごいエネルギーがほとばしっているのですが

それは結局彼女が生きようとするエネルギーそのものであり、

この華奢な姿にどうしてこんなエネルギーのマグマがあるのか

振り返ってみると信じられません。

 

彼女は毎日A4の用紙に5分間ドローイング作品を何枚も描いて

メルカリで2000円で売っているのですが

秒で完売してしまってめったに購入することはできません。

そのドローイングがつい先日1万枚を超えたようです。

彼女のアトリエに行ったとき

彼女は

「毎日のドローイングは

アスリートでいうとランニングだったり柔軟体操だと思います」

と平然と答えてくれました。

 

そう、彼女は芸術界のアスリートでもあります。

 

今回の個展はものすごい人でした。

今までより特に若い人が多かったのが特徴的でした。

購入は抽選です。

僕はこのミミズクにノミネートさせていただきました。

この絵には

還暦を越えた錆びたゼンマイの潤滑油になって

永遠に僕らの時間を刻んでくれる・・・

そんなことを感じたからです。

 

当たることを祈っています。

でも当たらなくても

この絵に勇気をもらえた人に渡ってもらえたら

同じようにうれしいです。