二地域居住の醍醐味は
東京からだと1泊しないと行けなかったり
日帰りでは駆け足で回らなくてはいけないようなところに、
二地域目の居住地をベースにしたら
のんびりと日帰りできるということです。
昨日、中山道宿場町巡りをしてきました。
以前「奈良井宿」という宿場町に行って
あ、こういう旅の仕方、僕にはあってる!
そう思って次に行こうと思っていた
「妻籠宿」(つまごじゅく)と
「馬籠宿」(まごめじゅく)の両方を散策してきました。
これが「妻籠宿」です。
明治時代に入ると鉄道や道路が木曽川沿いに開通し
衰退していったといいますが、
今は街並みを守るために
家や土地を
「売らない・買わない・こわさない」という
住民憲章を作って貴重な財産を後世に伝えているのだとか。
ちなみに「妻籠」の「妻」とは「端っこ」という意味。
「籠」は人が集まる場所という意味。
つまり「一番端っこの集落」ということだそうです。
妻が引き籠ってしまう集落・・・
そう思ってした僕はなんて浅はかなことか💦
こんなユニークな郵便資料館もありました。
休日なので閉館していたのが残念💦
「妻籠宿」を1時間ほど散策して
次に向かったのは
そこから7キロほど先にある「馬籠宿」です。
ここは妻籠宿ほど趣はありませんでしたが
両袖を民家に挟まれた石畳を
その先に恵那山を眺めながら
ゆるゆるとブレーキを掛けながら下っていくさまは
「そんなに先を急がないで!」
そうささやきあう恋人同士にふさわしい坂で、
やたら若いカップルが目につきました。
そしてここ「馬籠宿」の一番の見どころと言えば
「島崎藤村記念館」です。
藤村と言えば『夜明け前』ですね。
なんちゃって、かく言う僕はこれしか知りません💦
もっというと中学生ぐらいに読んだはずなのですが
まったく記憶にありません💦💦
館内を巡って断片でもいいので記憶を呼び覚まそうとしても
全く閃いてこなかったということは
よほどつまらない本だったのでしょう。
でも掲げてあった詩の断片を読んで
急に自分の今にその詩がよみがえってくるではありませんか。
生命は力なり。
力は聲なり。
聲は言葉なり。
新しき言葉はすなわち新しき生涯なり。
感動です。
今に鮮やかによみがえってくる
時代を超える詩です。
帰ったら絶対に藤村を読みとうそん!
そう思って言葉にしたら
我ながら情けなくなりました。
昨日の旅では
「妻籠宿」「馬籠宿」のほかに
「須原宿」「野尻宿」もクルマで巡ってみてきました。
「妻籠宿」や「馬籠宿」のような
歴史的町並みではありませんでしたが、
たまに昔の面影を残す民家に出会ったりすると
そこでクルマを止めてカメラ撮影。
すると不思議なことに
江戸時代の生活の音が聞こえ始め
そのうち目の前を元気な声で駆け回る子供たちの姿も現れ、
僕はおもむろに江戸時代へタイムスリップ。
目で見てわかるより
こうして思いを馳せていると瞼の裏によみがえる街並みの方が
僕は好きだったりして。
ああ、今度いつかは
中山道69次を全制覇してやろう!
そう思ったら
一層に地域居住がいとおしくなり
満ち足りた気分で山小屋までの帰路につきました。