週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

エリック・クラプトン ~12小節の人生~

今日東銀座の松竹試写室で、

「エリック・クラプトン~12小節の人生~」

という映画の試写会に行ってきました。

この映画は”ギターの神様”と言われる

エリック・クラプトンの

これまでの人生を綴った

ドキュメンタリー映画です。

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余計な演出は極力排除し、

淡々とした本人のナレーションを中心に

貴重なアーカイブ映像で編集された、

久しぶりに心揺さぶられた

ドキュメンタリー映画でした。

 

エリック・クラプトンと言えば

ドラッグやアルコール中毒になって

激しい人生を送ったことは知っていましたが、

これほどまでに地獄と天国を

行ったり来たりしていたとは知りませんでした。

 

実の母親から拒絶された幼少期のトラウマ。

ギター(ブルース)にのめり込んだ青年期。

天才的なテクニックで得た名声。

ジョージ・ハリスンの妻への実らぬ熱愛。

ドラッグや酒におぼれる日々。

自殺を考えた日々。

愛息の転落死。

そして復活・・・。

 

 『いとしのレイラ』は

ジョージ・ハリソンの妻への愛を

描いた歌でした。

『ティアーズ・イン・ヘブン』は

最愛の息子を失った絶望から

生まれた歌でした。

 

どん底から支えたのは

ギターでした。

 

「一番の望みはすべてから離れること。

今日も明日も苦しいと

分かっているから。」

 

「いろんな過ちを犯したが、

その結果ここにいる。

この先転ぶことはあるだろうけど、

また立ち上がったらいい。」

 

そして折れそうになった時に支えたのが

ギターで、

 

「どんなに辛い時も、近くに音楽があった。

ギターとケースは僕の友達だった。」

 

と言っています。

 

 天才は欠如から生まれる、

と言われますが、

エリック・クラプトンは

欠如感にずっと

さいなまれ続けていたのかもしれません。

 

求めても求めても

手に入らないこと。

それをわかっていながらも

求め続けてしまう気持ち。

それは絶望のどん底に自分を陥れてしまうけど、

そこから抜け出そうと踏み出した一歩が

魂を揺さぶる音楽やアートや

物語を生み出すんだな、

と思いました。

 

当時の時代背景もあったと思います。

が、この壮絶なる自己との戦い方は

今の人たちにも

知って欲しいと思います。

(少し説教じみてしまいました・・・)

 

エリック・クラプトンの生きざまに

僕の大好きなアーネスト・ヘミングウェイが

重なりました。

 

愛したギターに

絶望から救われたクラプトン。

一方で、

愛した狩猟の道具(ショットガン)で

自らの命を絶ったヘミングウェイ。

 

ほんのわずかなことで、

生は死になり、

死は生になる。

 

とにかくすごいドキュメンタリーです。

是非見てください。

www.universal-music.co.jp