週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

手話ダンスを見て感動した夜@光が丘

今しがた光が丘のIMAホールで

ろう者や難聴者、健聴者が一緒になってダンスし、

ろう者の観客にも歌がわかるように

手話を使って踊るという

かつてない手話ダンスの発表会に行って来ました。

 

主催は「NPO法人舞はんど舞らいふ」という

ダンス教室です。

www.myhandmylife.or.jp

 

理事長は麻矢さんという女性のインストラクターで、

”聴者もろう者もキッズもシニアもみんなで楽しく!”

をモットーにダンスレッスン教室を開いています。

 

第一部は麻矢先生が脚本を書いて

生徒のメンバーが役者として演じる90分のお芝居、

第二部は生徒たちのダンスユニットの発表会。

 

とても感動しました!

 

お芝居はろう者の方の苦悩と希望を描いた舞台で、

セリフには全部手話がつきます。

役者の中には何人もろう者がいます。

役者のうまさや演出のすごさがどうのこうのは

関係ありません。

この舞台に向け全員が手話を習得していること、

それを舞台の上で表現に昇華していること、

ろうの人も健聴者も

見ごたえのある一体感を出していること、

そしてこの脚本が

すべてこの教室の

ろうの生徒さんの実体験に基づいていること・・・。

 

もうずっと涙が止まりませんでした。

生きていくことに窮屈な思いを

ずっと抱えている気がしている僕でしたが、

しっかりせんかい!と、

往復ビンタを喰らったような衝撃でした。

 

第二部は

生徒さんやインストラクターの方たちの

それぞれのユニットのダンス発表会です。

ヒップホップやJAZZダンスが中心ですが、

無論このメンバーの中にはろう者もいます。

どうして耳が聞こえないのに

この激しいダンスを踊れるのだろう!?

もう信じられないくらいでした。

 

見ると客席の前列で

1,2,3,4・・・と

手でリズムを送っている人が3人いました。

この方の手の動きを見て

踊っているのでしょうが、

健聴者とまったく区別がつかないほど

息がピッタリ合っていました。

 

この舞台まで相当レッスンしたのだと思います。

そして麻矢先生他健聴者の方も

一生懸命手話を覚えたのだと思います。

聞くところによると、

手話はとても難しく奥が深く

下手にやると手話団体などから

とクレームがあることもあるのだとか・・・。

そういう困難を乗り越えて発表にこぎつけた

「舞はんど舞らいふ」に

最後は大拍手喝さいが送られました。

 

実はこの「舞はんど舞らいふ」は、

キッズからシニアまで通う

ハンディキャップや世代を越えた

ユニバーサルなダンス教室です。

舞台では、下は4歳の子から

上は71歳のお爺さんまで踊っていました。

 

で、なんでこの舞台を見に行ったかというと、

実は妻がこの教室の生徒で、

「フォーティーズ」というユニットに所属しているからです。

「フォーティーズ」というのはその名前のとおり

40歳以上のメンバーからなるユニットです。

おばさんのヒップホップと思うとドン引きし、

半ば脅されて見に行ったようなものですが、

見ると意外にも感動です。

うまいとか下手とかではなく

一生懸命表現しようとするエネルギーに

心を打たれた感じです。

 

表現に性別も年齢もハンディキャップがあるかどうかも

うまいヘタも関係ありません。

すべては平等の舞台で

表現したいと思う平等のエネルギーがあるだけです。

 

仕事柄どうしても評論家的視点で

見てしまう傾向にある僕ですが、

武装した理論は感動で押し流されて

本来のでこぼこした心のひだが

露にされたような夜でした。