週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

少し遠く小さくなった入道雲

先週末に続き今週末も金曜日に八ヶ岳に入りました。

夕方4時過ぎに東京の家を出て

西日に向かってクルマを走らせる。

西日はもくもくと湧き上がる入道雲に遮ぎられたり

隙間から顔をだしたり。

その日差しは相変わらずジリジリと暑く

エアコンの風は果たして冷風か・・・

と思わせるほどですが、

オレンジ色に縁どられ始めた入道雲が

少し遠く小さく感じ

お盆を過ぎた日本の

疲れて一休みする夏のため息を見たような気がしました。

 

オギノで割引になったお惣菜を2つほどと

次の日に食べるパンやヨーグルト、トマトジュースなどを買って

到着するころはすっかり夜のとばりが降りて

山小屋は暗闇に包まれていました。

 

家に入って電気をつけ

すべてのドアをあけ放し

空気を入れ替えます。

見ると室温計は26度。

東京の夜寝るときに設定するエアコンの温度より

1度低い。

 

全身から力が抜けていくような涼しさです。

 

運転の疲れをいやそうと

缶ビールを開けてリビングの先に広がるテラスの暗闇を

見るともなく見つめていたら

先週は聞こえなかった虫の音がたくさん耳に飛び込んできました。

 

ひょっとしてもう秋?

そういえばセミの鳴き声がない。

 

静けさの中で横たわりぼおっとしていたら

なぜか少し前に朝日新聞の「折々のことば」というコラムにあった

イラストレーターの安西水丸さんのことばを思い出しました。

 

『絶景ではなく、車窓の風景のような人間でいたい』

 

夏丸出しの入道雲よりも

虫の音を背負った入道雲ぐらいが

今の僕には一番身に沁みます。

 

あ~あ、仕事抜けてまでして八ヶ岳に来てよかった・・・。