週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

57歳にしてミレーを知った@山梨県立美術館

今日は10:30に東京を出て

八ケ岳へ。

 

みぞれ混じりの雪は

調布、立川、八王子と

西に行くにつれて本格的に雪になり、

相模湖から勝沼あたりまでは

一面雪化粧。

 

路面に雪は全くありませんでしたが、

スタッドレスの履いたレガシーは

いよいよ腕の見せどころだぜ!

とばかり、

ウィンウィン元気よく

ワインディングロードを加速していきます。

 

このままいくと山小屋あたりは

雪が詰まっているかもしれない・・・。

早く山小屋に着きたい気持ちを抑えて、

今日は「山梨県立美術館」に寄り道することにしました。

www.art-museum.pref.yamanashi.jp

 

山梨県立美術館は

ミレーの『種をまく人』や『落ち穂拾い、夏』

などを展示していることから

”ミレーの美術館”として有名ですが、

 

ミレーとかはあまり興味がない僕にとって、

今日はミレーよりもむしろ、

僕の一番好きな青色をテーマにした

『青の世界』という

冬季コレクション展が目当てでした。

 

さすがにこの天気ですので

美術館も空いていました。

ダウンジャケットのかすれる音がこだまするぐらい、

館内は静かで落ち着いています。

 

2階の展示フロアに上がって、

・・・とはいえまずはミレーを見ようと、

展示室に入り作品に対面したとたん、

衝撃が走るほど感動しました。

 

教科書とかでしか見たことのないミレーでしたが、

本物はまるで違います。

 

僕は絵のことはまるで知らないのですが、

理屈じゃなく圧倒してくる迫力。

 

色遣いは暗く、全体的に重く、

1800年代のフランスの農民や

農村風景、自然などを描いた写実的な絵は、

当時の貧しい時代を物語る、

などと評されているようですが、

確かに貧しい時代だったかもしれません、

しかし、そんな時代背景よりも、

大地にしっかり根差して生きようとする人間の、

心臓のしたたかさというか、

足腰の強さというか、

重力に抗うことなき真摯な姿勢というか、

大地に吸収される無言の歓びみたいなものが、

ずしんと時を超えてこころに訴えてきて、

しばし呆然となりました。

 

57歳にして初めてミレーの絵画に出会った!

義務教育で知ったミレーはいったいなんだったんだろう?

もっと若かりし頃にここに来ていれば・・・

いや、もっと若かりし頃にここにきても、

きっとこの感動はなかったのかもしれない。

 

というよりも、

八ケ岳と行ったり来たりするようになってから、

ミレーのようなバルビゾン派の作品に

目覚められたのかもしれない。

 

あ、ちなみにミレーは

こんな作品を描いた画家です。

f:id:kogysma:20200118211426j:plain

『種をまく人』(Wikipediaより)

f:id:kogysma:20200118211550j:plain

『落穂拾い』(Wikipediaより)

 

このあと本命の『青の世界』ほか

冬季コレクションを見ましたが、

どれも良かったものの、

ミレーの作品の迫力にはかないませんでした。

 

美術館を出て向かう

どんよりとしたみぞれ混じりの八ヶ岳の風景は、

雪こそありませんでしたが、

ミレーの作品と重なって

どっしりとした重量感を湛えているように感じました。