週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

思いのほかまだ秋だった八ヶ岳

今朝起きてようやく休める土日、

さあどうしよう・・・と考えた結果

八ヶ岳に来ました。

1か月ぶりの八ヶ岳。

毎週のように来れているときは

1泊2日だと意味ないと思っていたのですが、

ここのところ仕事が忙しくなっていけない日が続くと

1泊2日でも意味があると思います。

 

東京で地下鉄で毎日通勤していると

それほど寒くもないのに

コートやマフラーを着込む人が増えてきたので

ああ、いよいよ冬だあ・・・と思い、

こんなだから八ヶ岳はもうすっかり冬景色なんだろうな・・・

と思いながら国道20号を西へ、山へと

クルマを飛ばしていったのですが、

車窓の景色は夏でもない冬でもない

深い秋そのものでした。

 

時がたつのは早いと思う今日この頃ですが

そう思い込んでいただけかもしれません。

季節はどこまでもゆっくり移ろいゆく。

その移ろいを知ることができるのは

東京の雑踏ではなく田舎の自然です。

特に秋は東京ではなかなか見つけにくい。

途中コンビニでコーヒーを買って

クルマのドアを開けリンゴを齧りながら

重力にあがらえずに

今まさに青空から切り取られようとしている

柿の木を眺めながら

ゆっくり移ろいのひと時を堪能しました。

 

山小屋に着いたのは午後の3時。

しばらくこなかったので

何事もなかったか家の周りを一周し

中に入ると室温11度でした。

 

早めの風呂にしようとスイッチを押そうとした瞬間

体が温泉を欲しているのがわかりました。

そうか、ここのところ駆使した老体をいたわらんといかんな・・・

ということで

タオル一式を持って「たかねの湯」向かいました。

 

たかねの湯はまだ日が高いせいか空いていました。

僕の山小屋だと「パノラマの湯」のほうが近いのですが

登山客や団体さんでいつも結構混んでいて

僕はこの「たかねの湯」が好きだったりします。

今日はラウンジでお風呂を出たあとに偶然ばったり出会った

ちょっと前までの高校の同級生らしい男女の会話が

とても胸きゅんで

富士山よりもそんな光景が見られるこの湯が好きです。

 

温泉を出ると外はもう夜のとばりが下りていました。

細い月が黒い空に張り付けられていて

それは巨大なブーメランのごとく

地球のインテリアになっていました。

 

家に入ってすぐに薪ストーブに火を入れました。

ゆっくりとゆっくりと温まっていく部屋。

少しずつ瞼を開き始める山小屋。

それに呼応するように

少しずつ瞼が閉じ始める僕。

ほんとうにこの瞬間が大好きで

1泊2日だけど来てよかったと改めて思いました。

 

風呂に行くときにすれ違ったFさん夫婦に

「今年もおたくの雑木林には紅葉を楽しませてもらったよ」

と声を掛けられ、

僕自身ちゃんと体験できなかった秋ですが

その言葉に秋をしっかり受け止めました。