「週末、薪ストーブはよかったですか?」
昼飯を一緒に食べていた仕事の後輩から
そう聞かれて、
「やっぱりいいよね~」
なんて盛り上がりました。
盛り上がった、わけではありませんね。
話はそれ以上進展することもなく、
ただ二人でニヤニヤしながら
薪ストーブの燃える炎を
想像していました。
でもなんで薪ストーブっていいんだろう?
昼飯を終わって
週末の八ヶ岳ライフを思い出しながら
ぼーっと考えました。
体の芯からあったまる・・・
癒される・・・
ほっとする・・・
落ち着く・・・
有体のことばで言ってしまえば
そう言うことです。
そのすべてです。
でも、なんでそう感じるんだろう?と、
深く考えてしまうクセがある自分が
行きついた答え。
それは、
自分が自分に戻れるから。
東京にいると
自分と自分がバラバラになってしまいます。
二人の自分がいるようです。
こっちの自分が向こうの自分を否定すると
向こうの自分がこっちの自分を否定してくる。
二人の自分を行ったり来たりで
夜はどっちの自分に帰っていいのか
わからなくなって、
結局朝まで眠れない。
薪ストーブの炎を見ていると
どんどん自分がひとつに帰っていく。
自分が自分に戻っていく。
そこにはあれこれ考える余地がない。
余地を与えてくれない。
考えないから眠くなる。
気がつくと寒さで目が覚め、
熾火の消えた薪ストーブの前で
倒れている一人の自分を発見する。
いけない、風邪ひくぞ。
そう思って布団に入ると、
また二人の自分がうごめきだす。
そうしてまた眠れず
夜が明けるけど、
少なくとも東京では体験できなかった
自分が自分に戻る感覚が
一日の始まりの唯一の糧になる。
冬の週末、
八ケ岳に向かう理由は
こんなことにあるのかもしれません。
寒くないの?
と家族に心配されますが、
そりゃ寒いです。
寒いですが、
それ以上に自分に戻れる時間をくれる
薪ストーブが
あたたかいのです。