東京ステイの週末
たまには東京も楽しまんと・・・
というか、ポイントがたまったというので、
妻に誘われるがままに行ったランチは、
新宿の「CRAFT GRILL」です。
ここはあのビームスのプロデュースのもと
日光金谷ホテルの協力を得て
小山薫堂さんが監修し、
伝統と革新をテーマに
”日本の洋食”とフレンチをマッチさせた
聞いているだけでお腹いっぱいになりそうな
すごいお店で、
その分値段もすごくて、
コースランチは3500円、
ほか日光金谷ホテル伝統の百年カレーは1800円、
ほか肉料理や魚料理が
大体2000前後で用意されています。
妻は「とちぎゆめポークのチーズカツレツ」(2200円)を、
僕は「金谷ホテルランチコース」(3500円)を注文。
コンソメスープとサラダに始まり
カニクリームコロッケ、その後にメインの
百年カレー(ご飯は選べて、僕は五穀米を選びました)、
最後はデザートのチョコブラウニーと
コーヒーで〆です。
いやはや、どれをとってもうまいです。
まずいはずがない。
特に百年カレーはバターが効いていて
口に入れた瞬間はあっさりしているのですが
3秒後ぐらいにはこってりと濃厚で複雑な味が
口いっぱいに広がります。
肉や野菜などの形のある具材は入っておらず
見た目は物足りない感じもしますが、
どうしてどうして。
コロッケも口に含むと
丁寧に作られているのがちゃんとわかって
流石すごいお店だなあ・・・と思いました。
でも、ですよ。
これを新宿ビームスの地下で
おしゃれな空間でいただくには
ちょっともったいないような、
それでいてものたりないような、
妙な違和感を感じました。
「これ、八ヶ岳で食べたらもっと安くて
おいしいと思うのに・・・」
そう妻がつぶやいたのですが、
まさにその通り。
晴れた日のオープンテラスで
南アルプスや八ヶ岳の稜線を眺めながら
目に入る景色や肌で感じる風を話のおかずに
ゆっくりと時が過ぎるのを楽しむのに
ちょうどいい料理。
隣では3人のご家族がワインを片手に
食事を楽しんでいましたが、
娘さんはずっと携帯の画面を見ていました。
新宿のこのようなビルの地下では
どんなに空間をおしゃれにしつらえても
その目は携帯に向かうでしょう。
それが自然なのだと思います。
自然の移ろいに叶うものなし。
自然に奪られるのは五感とこころ。
その自然のパノラマと風を感じることなく
それで二人で6000円弱は
ちと分に合わぬのではないか。
本当においしかった。
でも、それ以上の何物でもなかった。
せっかちな妻と
無口な僕にとって
色っぽい時間は必要ない。
かつ屋のかつ丼やドトールのミラノサンドが
東京ではむしろほっとします。