ここのところの八ヶ岳は
さすがに寒い。
日中だというのに
マイナスの外の世界。
家に入ってもそこは0度の世界。
カチンカチンに凍った氷の世界を溶かすために
必死になってストーブを焚きます。
温度計が動き出すのはそれからおよそ1時間。
寒さで息を詰めていたせいか
やり方を忘れていた深呼吸をひとつ。
すると寒さで固まっていた頭がゆるんで
少しずつ頭痛がし始めました。
頭痛が生きていることを教えてくれる冬。
なんとか温めた山小屋で夜を送ります。
朝起きると
リビングには陽が差し込もうとしています。
徐々に温度が上がってきて
いよいよ本格的に日差しがリビングを温めはじめたとき
懐かしいブーンという羽音が
窓の方から聞こえてきました。
なんだろう?
と思って窓に近づくと
一匹の蜂が羽を震わせながら
網戸を這っていました。
昨日までいなかった蜂。
いつどこから出てきたんだろう?
夜の薪ストーブの熱で羽化したのだろうか?
頼りない蜂のアイドリングに
頼りない僕のエンジンが安定してきます。
お茶を淹れて雑木林を眺めながら
心の中の夜の帳が下りるのを感じながら
朝のひとときを楽しみます。
蘇った蜂よ、
外に出てはいけない。
寒さで死んでしまうから。
僕ともう少し
薪ストーブの火で
ランデブーしようじゃないか。
また南岸低気圧が来るらしいけれど
今週末も八ヶ岳に向かいます。
夏になると嫌われ者の虫たちが
冬は友達です。