週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

山の恵みを素のままいただく@「自然屋」(北杜市)

僕ら夫婦は

東京のマンションに二匹の猫がいて、

そのどちらも先天性の心臓病で

移動がままならず、

結果どちらかが必ず東京にいなくてはならず、

となると必然的にフルタイム勤務の妻は

八ケ岳に行けなくなっているのですが、

ひょんなことから猫を長男が見てくれる機会に恵まれ

1泊2日で妻が山小屋へやってきました。

 

一分一秒たりとも無駄にしないという超合理的な妻は、

山小屋にいる間は雑木林の手入れに、

その合間の飯時は

近くのおいしいレストランを巡る

というのが基本パターンですが、

たいがいはパスタとかステーキとか

おこちゃま洋食系の妻が

珍しく自ら山の自然食を食べたいと

いつのまにか「自然屋」を予約していました。

tabelog.com

 

蕎麦がいいというとうどんが好きという。

魚がいいというと肉じゃなきゃ嫌だという。

羊羹が食べたいというとケーキが食べたいという。

ことごとく味の趣向が異なるのですが

珍しく自然食で一致するとは・・・💦

 

 

久しぶりの自然屋は何も変わっていませんでした。

メニューも店内の雰囲気も、

ご主人の真面目さも奥様の笑顔も。

でも、最初に来た時より料理の値段が

おおよそ500円ぐらい高くなっていました。

それでも山の料理を極めた究極の味に

何一つ高いと思うことなどありません。

 

僕は「イワナの塩焼き定食」(1900円)を。

 

妻は「八ヶ岳定食」(3000円)を注文しました。

 

口にすると

そのシンプルかつ奥深い滋味が

ジワリと体中に行きわたるのがわかります。

敵から身を守るためのほんのりとした苦みが

自分の地となり肉となっていくのが

染みわたるようにわかります。

 

妻の「八ヶ岳定食」の

イワナの刺身とてんぷらを一口もらいました。

刺身は癖がなくコリコリとした食感が

刺身を食べているとは思えないよう。

ましてやてんぷらなどは

外側がカリッカリに揚げられていて、

それが自然の旨味を逃がさない砦になっていて

砦を崩すとこれまた山の神が降臨してくるようです。

 

夢中になって食べつくし

テーブルにあった薬草茶を飲んで

外の景色を眺めていると

体がジワジワと喜びに満ちあふれていくのがわかります。

 

気が付くと妻も僕もお茶を3杯ほど飲んでいました。

 

さあ、でようか・・・

そう言って会計を済ませ

クルマで15分の家に戻ったとたん

グルグルグルグル・・・とお腹が鳴り始めました。

ちょとトイレに・・・

と思ったら、

僕を遮って妻がトイレに駆け込みました。

お互い代わる代わる用を足して一言。

 

体が喜ぶって新陳代謝が良くなることだね。

 

「自然屋」は無農薬とか自然農法とか

そういう理屈は一切歌っていません。

ただ単に八ヶ岳の山の恵みに

そっと調理の手を加えただけです。

以前ここで食事をした時に、

食材は化学肥料を使わない有機なんでしょうね・・・

と聞いたら、

山に生えているものばかりなので

それを有機というかどうかはわかりません。

と困った顔をされました。

 

そう、自然にあるものだけの食材で作った料理、

それが「自然屋」。

ここで料理をいただくと

自分が自然の一部であることを実感させるから不思議です。