週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

クワガタ君、はじめまして。

金曜日は、

魚沼から高崎まで関越道で行って、

そこで妻を下ろし、

彼女は二匹の猫(とらとこた)の待つ東京へ、

僕は迎えてくれる者がいない八ヶ岳

それぞれ向かいました。

 

ところが、いたのです。

迎えてくれる者が。

 

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クワガタ君でした。

 

車庫の入り口の木にじっと止まっていたのです。

カメラを近づけてもビクともしませんでした。

 

この家を購入するときに

前のオーナーの方に

「庭にはカブトムシとかクワガタとかいますか?」

と聞いたら、

「そういえば見ないですね・・・。リスはいたけど。」

とおっしゃっていたので、

カブトムシ&クワガタ大好きな僕としては

少し残念な気持ちになったのですが、

いたのです!

やっぱり雑木林は偉大です!

 

思い起こせば、

この冬2月に

小雪が舞う中チェンソーで庭木を切っていたら、

突然ガサガサ!という大きな音がして

びっくりして顔をあげたら

白いおしりの大きな鹿が

目の前でこっちを振り返っていたことがありました。

 

蝉もいます。

蝶もいます。

トカゲもいます。

リスもいずれ出会うでしょう。

この雑木林には

たくさんのいろんな命が汗をかいて生きています。

 

そんなことを考えたら、

クワガタ君は僕を迎えてくれたのではなく

自分の住みかに突然侵入してくる僕に驚いて、

固まってしまっていたのかもしれません。

 

 

土地を売るとか買うとかは

人間にとって人生を左右する大きな出来事です。

土地を餌に悪いこともする人もいれば

お金儲けに励む人もいます。

土地が原因で

家族を崩壊させてしまう人もいますし、

死に追いやられる人もいます。

 

でもそんなことしているのは

人間だけです。

 

どんな生き物も

誰それの持ち物とか関係のない世界で

命を育む住みかとして

シェアしあっているのです。

 

30台後半のことでした。

僕は神奈川県藤野町

パーマカルチャーセンタージャパン

というところで、

1年間パーマカルチャーを学びました。

 

パーマカルチャーとは

パーマネント・アグリカルチャーを略した言い方で、

オーストラリアのビル・モリソンという人が提唱した

次のような概念及びライフスタイルです。

 

パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、

そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、

永続可能な農業をもとに永続可能な文化、

即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を

築いていくためのデザイン手法。

 

小難しそうですが、全然難しくなく、

地球上を森で埋め尽くしたら

そこは自然も人間も究極の豊かさを得られるだろう・・・

そんな理想形を求める学問です。

 

そこで僕はいろんなことを学び、

そのすべてが

小学校から大学まで

自分はいったい何を学んできたんだよ?

と思うぐらい

目からウロコの連発だったのですが、

その中で一番記憶に残っているのは、

「人間は300坪の土地があれば、

一家4人が生きていける」

ということです。

 

どういうことかというと、

一家4人が1年間命を維持するために必要とするエネルギーと

300坪が生産する植物(例えば米とか小麦とか野菜など)

のエネルギーはほぼ等しい、というのです。

 

これには脳天撃ち抜かれました。

 

「こんな給料じゃメシが食えない」

などと人は言いますが、

冗談じゃない。

300坪あれば死にはせんのです。

 

ちなみに300坪≒1000㎡、

それって日本では「1反」と言います。

日本人って命を維持する単位を知っていたのです!

 

残念ながら僕の八ヶ岳の土地は

1反に届きません。

パーマカルチャーを知ってから

土地を買うなら1反の広さを、

と思っていましたが、

その条件を上回る好条件がここにはあったのです。

 

雑木林です。

ビル・モリソンが理想とした森(極相)が

この狭い土地にはあります。

 

そう考えたら僕なんて

「今週末もお邪魔しますね・・・」

と言って入って来るべき新参者です。

 

時々この雑木林を

「放っておくと厄介だから、木を切って畑にしたらいいよ」

なんて言われますが、

そんなつもりは毛頭ありません。

そんなことをしたら

ここに住んでいるたくさんの生き物の住みかを

奪ってしまうことになる。

 

いずれ畑をやりたいという気持ちもありますが、

その時は近くの耕作放棄地などを探そうと思っています。