週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

ひつじや@四谷三丁目

企画&ライティングの会社で

ずっと教えていた女性後輩二人から、

久しぶりにご飯でも食べませんか?

と連絡をもらい、

昨日1年ぶりに夕食を楽しんできました。

 

行ったお店は、

四谷三丁目にある「ビストロ ひつじや」。

地元なので

オープン当時から

ちょくちょく利用させてもらっているのですが、

なんだかとても人気の店になったようで、

とても混んでいました。

 

「ビストロ ひつじや」は

その名の通り、

羊の肉をメインに

エスニックな世界の料理と

めずらしい世界のワインを楽しめるお店です。

そしてなんといっても、安い!

ワインは”原価+100円”をうたっています。

 

その味はというと、

微妙に日本人の味覚に訴えるおいしさです。

エスニックというと

ちょっと日本人の味覚から

かけ離れたような個性がありますが、

ここはそうではないのです。

 

昨日で4度目ぐらいでしょうか。

席についてメニューをもらうと、

ディナーコースがありました。

10種類の料理がそろって3800円です。

(本当に安い💦)

店員に聞いたら、

人気のおすすめ料理を上から順に並べた

フルコースだとか・・・。

これまで迷いながら

いちかばちか一品ずつ頼んでいたのですが、

今日は全部お任せだ、とばかり、

コース料理を3人分注文しました。

 

今回は10種類の料理の中で

特に印象に残った料理を紹介します。

 

まずは最初に来た「羊のタタキ」。

 

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臭みがあるのかな、と覚悟していたら、

拍子抜けするぐらい臭みがありません。

馬肉や鹿肉、猪肉などなんかより

はるかにくせがない。

目隠しして食べたら

たぶんこれを羊だと当てられる人は

いないのではないでしょうか。

玉ねぎと一緒に食べると

上質なローストビーフを食べているかのようです。

 

次に印象に残ったのは「スペアリブ」。

 

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外はカリカリっとしていて

中はジューシー、油が乗っています。

塩と胡椒だけではない

独特のスパイス加減が絶妙で、

一人一本でしたが、

3本ぐらいいけそうなうまさです。

ワインが進む、進む

次から次へと料理が運ばれてくる中、

やっぱりひつじやといえばこれでしょ!

というのが「チュニジアのぎょうざ」。

 

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見てください、この大きさ。

大ぶりのスプーンを上回っています。

パリパリの皮にがぶりつくと、

チーズがからんだスパイシーなひき肉とともに、

トロリと半熟卵がとろけだしました。

北アフリカを代表する

「ブリック」と呼ばれる料理で、

日本でいうとぎょうざと春巻きの

あいの子みたいな感じでしょうか。

揚げた皮からお目見えするのは、

アフリカ大陸のメロウな夕焼け・・・

 

このほかにも、

「青菜の炒め」(空心菜の炒め物みたいです)

「こりこりじゃがいも」(スパイシーなポテトフライ)

「ケイジャンチキン」(辛さがうまさ!)

など、

家では絶対作れないような料理のオンパレードでしたが、

それらのすべてを流し込んでくれるのが

このお店おすすめのワインたちです。

 

最初に頼んだワインはオーストラリアの赤ワインでした。

軽くて飲みやすかったのですが、

ワイン大好きの一人が

「もっと重めの赤がいい~!」

というので店員に聞いたら、

すすめられたのがこれ。

「ジョージアワイン」です。

 

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ジョージアワインと聞いて、

普通の人は、

アメリカのジョージアを思い浮かべるでしょう。

でも違うんです。

グルジアのことなんです。

 

グルジアというのは

黒海に面し、東にカスピ海がある

コーカサス地帯の国です。

 

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スターリンの出身地であり、

ソビエト連邦が崩壊した1991年に

独立を果たした国なのです。

 

日本人にはグルジアの方がなじみがあると思いますが、

世界的にはジョージアが一般的なんですね。

2008年にロシアと武力衝突した旧グルジア政府は、

翌年からロシア語に由来する呼称を変更するよう

各国に要請していたのですが、

これまで日本政府は応じていなかったとのことです。

 

この辺は戦火が絶えない地域ではありますが、

文化的にも非常に歴史のある国で、

実はワインの発祥の地なのです。

かのクレオパトラが

ここからワインを取り寄せていたと言います。

 

このジョージアワインがまずいわけがないです。

本当に年代物のブルゴーニュワインを

飲んでいるかのように、

濃厚で重厚で、ずしんと体に焼き付いてきます。

 

ワインのおいしい地域は

なぜか戦火の絶えない地域、

あるいは絶えなかった地域と重なりますが、

それはやはり血の色だからなのでしょうか。

おいしいワインは

口に含むほどに

人類の悲しく残虐な歴史に

想いを馳せさせます。

 

そんなことを思いながら

酔ってボーっとしていたら、

目の前の二人のクレオパトラが、

おいしかった~!と、満面の笑顔。

元気いっぱいの食べっぷり、飲みっぷりの

その姿に元気をもらい、

店を出て、今日はありがとうございました!

と言って手を振る二人に

こちらこそありがとう!

と、心から手を振って別れました。