都内で生ライブを聞きながら
ゆっくり食事を楽しめる場所って、
最近どんどん少なくなってきました。
しかも、ジャズとなると
もうなかなか見当たりません。
僕はジャズはようわかりませんが、
空間やカトラリーにこだわりまくって
しかも銀座にあるこのライブレストランは、
一ヵ月に1回ぐらいの割合で行っています。
「NO BIRD」という
イタリアンを楽しめるライブレストランです。
昨日はぶらり、仕事仲間と、
その「NO BIRD」に行ってきました。
生ライブは、ピアノとボーカルのデュオでした。
30分演奏し、30分休み、また30分のライブが始まる。
ずっとおしゃべりし続けるには疲れる。
かといって、
ずっとライブに耳を傾けなくてはいけないと思うと
話したいことも話せなくなる。
そんな関係の人と行くには
”ちょうどいい間”を提供してくれた時間でした。
ジャズのスタンダードナンバーに
矢野顕子などの懐かしいナンバーをセトリに入れた
1ステージ30分のライブは
とても心地よく、
究極の非日常空間を演出してくれました。
そうして絶妙なタイミングで運ばれてくる
コース料理は、
これまた非日常の春の味でした。
まずは1番目のアペタイザー。
「オマール海老とフルーツトマトのカプレーゼ仕立て」
海老の旨味とトマトの酸味が溶け合う上品な味に、
まずはハッとと胃袋が目覚めます。
次に来たのは、2番目のアペタイザー、
「明石産鯛と菜の花の冷製 新生姜のピクルス」
見た目がとても美しい!
かつ、口に入れると春の香りがふんわり広がります。
そして3番目のアペタイザー、
「イタリア産ホワイトアスパラガスのボッリート」
ボッリートとは”茹でる”の意味です。
ほんの少し硬めに茹でられたホワイトアスパラは
グリーアスパラとは違った
クセのない爽やかで清楚な味でした。
これらのアペタイザーを白ワインで味わっていたら
いよいよやってきました。
メインの料理、
「飛騨牛のロースト 春野菜とマルサラソース」
酸味の効いたマルサラワインは
僕も大好きで、
家でたまに料理を作るか・・・
などと気合が入った時などに使ったりするのですが、
このそら豆やえんどう豆などに絡んで
口中調味されるマルサラソースは、
目から鱗の味わったことのない味でした。
それが、脂身の効きすぎた和牛とは違った
噛み応えのある、しかし柔らかい
赤身の飛騨牛に絡むと、
もう究極のジャズセッションを聞いているかのような
幸せな気分になります。
もう5割ぐらいお腹がいっぱいになってきたぞ・・・
そう思ったところにやってきたのが、パスタです。
「いかすみのキラッタ あさりとブロッコリーノソース」
キタッラ
耳慣れない”キラッタ”とは、
キタッラ
ロングパスタ種類の一つです。
イタリア語でギターを意味するこのパスタ、
つくる道具が長方形の箱にギターの弦のように
針金が張ってあることからこの名前がついたそうです。
言わずもがな、です。
今日のデュオにはギターこそありませんでしたが、
ピアノとボーカルの合間に
ギターがソロでサビのメロディーを奏でるようで、
聴覚と味覚を絶妙にハーモナイズしてくれます。
そうしてライブが休憩に入った頃。
それを見計らったようにデザートがやってきました。
「マスカルポーネチーズのセミフレッド苺添え」
美しいガラスの皿に散りばめられ、
口に入れる前からほのかに漂う
スイートな春の香りは、
うれしさを通り越して
切ないぐらいでした。
シェフは原さんと言って、
大阪トラットリア・パッパ松本喜宏氏に師事し、
22才で渡伊。
モデナのオステリア・フランチェスカーナ、
パドヴァのレ・カランドレなどで約3年の修行を経て帰国。
その後京都のイルギオットーネ笹島保弘氏に師事したという、
凄腕のシェフです。
このシェフのコース料理、
実は6000円です。
しかも、コースで注文すると
通常1000円のミュージックチャージが
オフになります。
ですので、昨日はグラスワインを2杯ほど
いただきましたが、
8000円ぐらいでお勘定を済ませました。
銀座で普通に飲んで食べたら
あっという間にそのぐらいは飛ぶでしょう。
でも、凝りに凝った空間で
生演奏を聴きながら、
有名シェフのコース料理を堪能できる。
そんな一石三鳥のお店は
昨今なかなかないのではないでしょうか。
このお店を運営している方は
仕事仲間です。
もっといろいろなことにチャレンジしようと、
例えば誕生会の貸し切りとか、
素人バンドが友人を集めて
演奏会を開くとか、
朗読会を開くとか、
いろいろなシーンで利用してもらおうと
考えています。
仕事で疲れたウィークデーの夜、
癒されたいな~と感じたら、
是非ふらっと寄ってみてください。
間違いなく心も体も癒されます。