週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

特筆すべきことがないことが、おいしさを物語ることもある。

先週末の八ヶ岳で

記憶に残った食べログを一つ。

 

日曜日の午後1時ごろ、

無性にラーメンが食べたくなって、

かといってそれほどこだわりもなく

近くでささっと食べて帰って

また庭掃除でもしたい、、、

そんな気分で向かった先が、

志那そば とんぼ」です。

 

長坂ICを降りた最初の交差点を

右に曲がり、少し行き、

甲陽病院の前の信号を右に入ってすぐのところにある

時代遅れのペンションのような家がそうです。

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時代遅れって言ったら失礼ですね💦

なんとなく僕の八ヶ岳の家の

ペンキを塗る前の雰囲気に似ています。

 

ここは僕は2回目です。

 

1回目は醤油ラーメンをいただきました。

パンチが効いた、とか、

個性があるとか、

そういう味ではなく、

ごく普通のどこにでもある庶民的な味で、

特別に印象に残りませんでした。

 

そして今回は塩ラーメンをいただきました。

(麺は1.5倍にしてもらい、840円なり)

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なんとなく野菜の乗ったタンメンに近い感じです。

なるとが乗っているあたり、庶民のラーメンを感じます。

 

まずはスープをすくって飲んでみました。

さっぱり薄味のやさしい味です。

醤油ラーメンと同じように、

何故かあまり主張せず、薄味。

 

麺はというと、縮れた細麺。

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柔らかめの麺は、昔中学校の部活の帰りに食べた

行きつけのラーメン屋を思い出させてくれました。

 

カウンターの左上にテレビがあって、

ちょうど「新婚さんいらっしゃい!」が流れていました。

 

ええ、まだやってたんだ・・・この番組!

驚きながらも懐かしくて

思わず見入ってしまいました。

 

僕の座ったカウンター席の2つ隣には

地元の常連さんらしき人が座って

醤油ラーメンを注文しましたが、

来たラーメンそっちのけで

「新婚さんいらっしゃい!」にくぎ付けになっていました。

 

お客さんはというと

僕とその常連さんらしき人の二人だけ。

カウンター越しの厨房では、

ご主人と奥様が

しゃべることなく、

ただ黙々と仕事をしていました。

 

テレビの音声だけが響く

あまりにそっけない店内。

会話もないまま

ただただ運ばれてくる志那そば。

特筆すべきことは何もない

ごく普通の味のラーメン。

 

でも気づいたらスープまで

飲み干してしまっていました。

 

ああ、なんだかすべてが

優しくて懐かしい。

ラーメンではなく志那そば。

桜の時期の花曇りの昼に流れる時間って

こういう時間だったかも・・・。

 

中学生から高校生になる

”あおはる”時代を思い出しました。

それを思い出させるほど庶民的な店です。

特筆すべきことがないことが

特筆すべき店です。

 

「志那そば とんぼ」

夏真っ盛りの時には忘れてしまって行かなくなっても、

秋の赤とんぼが飛ぶ頃には

また行きたくなるだろうな・・・

そんなことを感じさせるお店でした。