週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

クルマの自動運転は、身に染みた身体反応をネグレクトしているのでは?

僕のレガシーツーリングワゴンには

アイサイトが搭載されているのですが、

買ってすぐのころは

興味本位で使っていたものの

今はもうほとんど使っていません。

 

今日八ヶ岳に入ったのですが、

適度な交通量の高速道路を走っていたら

思い出したようにアイサイトを試したくなりました。

 

アイサイトのオートクルーズ機能を、

例えば時速80キロにセットすると、

80キロまでは前の車と同じ距離を保って

アクセルやブレーキを踏まなくても

加速・減速をしてくれます。

時速80キロ以上にはなりません。

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でも一度ブレーキを踏むと

リセットされてしまいます。

 

最大速度を上げたいと思ったら、

ハンドルの右手側についているボタンを

親指で操作します。

速度を上げたいときは、ボタンを上に押し上げ、

速度を下げたいときは、ボタンを下に押し下げます。

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ですので、このオートクルーズ機能をオンにして

足を使わずに

右手の親指だけで運転するつわものもいるようです。

 

安全をうたったこのアイサトですが、

僕にはどうしても馴染めません。

 

いつもほんとにブレーキかけてくれるのかな?

と疑心暗鬼でいます。

 

運転をしていると

確かにブレーキをかけたり加速をしてくれたり

してくれているのがわかります。

でも、自分だったらここで軽くブレーキ踏むのに

まだブレーキかけてくれないの?

という場面にたびたび遭遇します。

 

その①

 

前のクルマとの車間が空いていて、

でも前のクルマのその先はノロノロつながっている時。

 

僕だったらその先が見えているので

それほどアクセルを踏みません。

でも、オートクルーズは前のクルマを見ているので

車間を詰めようと

一気に加速していきます。

加速してもその先はもうノロノロ運転だとわかっていても

加速してしまうのです。

そうすると、

なんでここで加速するの?

と思ってしまうので、焦ります。

 

その②

 

合流車線などで

前にクルマが割り込んできた時。

 

一応アイサイトの視野範囲は広いので

メーカーとしてはその辺も十分に考慮しているのでしょうけど、

譲り合いの心までは搭載していません。

 

例えば、左から合流しようとしてくるクルマがあって、

ほぼ同じ速度で同じように左側に並んだ時、

こっちが先に行くか

相手を先に行かせるか

迷います。

状況を見て、

相手が入りやすいように

ブレーキをかけて前との車間をあけることもあります。

その気配りができません。

 

その③

 

信号の変わり目で前のクルマについていってしまう。

 

大月で高速道路を降りて

国道20号線を走っていたら、

前の信号が青から黄色に変わりました。

信号には横断歩道を渡ろうとしていた歩行者がいるし

ちょっと走り抜けるには遅いので

止まるべきだな・・・

と思ったのですが、

オートクルーズはおかまいなく

前のクルマについていこうとして行きます。

おおっと、そうじゃないだろ!

とばかり、ブレーキを踏みました。

 

そんな風に周りの微妙な状況までは読めないのです。

 

その④

 

リセットされていたのに気づかず

自動ブレーキが作動すると思っていて焦った💦

 

その交差点から加速して

またクルマの流れに乗りました。

しばらくするとまた信号でストップです。

そろそろあまり心配しないで

オートクルーズを信頼しようと思っていた矢先のこと、

前のクルマがどんどん迫って来るのに

オートクルーズはブレーキをかけません。

焦って急ブレーキをかけました。

 

どうした?壊れたのか!?

と思ったのですが、

一度ブレーキを踏むと

オートクルーズがリセットされることを思い出しました。

そうか、これは僕の過失だ。

 

アクセルは自動的に踏んでいても

ブレーキは踏まなくても自動でかかると思い込んでいた自分。

 

2時間ほどオートクルーズで運転してみたのですが

普段の運転では使わないような

全然違う頭と神経を使って、

なんだかものすごく疲れました。

 

そうして思いました。

 

高齢者の事故が多発しています。

それは高齢者がクルマの自働化に

ついていけないせいなのではないか。

ATミッションは

僕らがクルマを乗り始めた頃から

徐々に普及し始めました。

僕は30歳ごろまでMTミッションに乗っていましたが、

今の高齢者は

クルマといえばMTミッションのはずです。

ブレーキを踏むときは

左足がクラッチを踏むので

両足ともブレーキに専念します。

アクセルに足が乗るようなことはありません。

(レーサーは別ですが・・・)

一方で、

アクセルを踏んで加速する時は

シフトチェンジをしなくてはいけないので

左足と左手(左ハンドル車の場合は右手)は

常に右足とシンクロさせて動かせることになります。

 

そう身体に覚え込まされたお年寄りが、

一見便利なように見えても

ATミッションやオートクルーズなどの機能に

自分の感覚を合わせるには

頭を使います。

一生懸命頭を使って

クルマに体を合わせようとしているうちに、

その瞬間瞬間の複雑な環境に

頭がついていかないこともあるでしょう。

頭で反応させるより

馴染んだ体が反応したほうが、

よほど安全かもしれません。

 

ずっと前、朝日新聞の「声」の欄に、

こんな投稿がありました。

 

MT(マニュアル)車にはAT(オートマ)車にない安全性がある。面倒なクラッチ操作だ。操作方法やタイミングを間違えればたちまちエンストする。わずらわしいが、これは大事な安全装置だ。「アクセルとブレーキを踏み間違えた」という事故の多くは、MT車ではありえない。

 

ATもオートクルーズも

どんどん運転を楽にするけど、

楽になった分、

スマホやおしゃべりや音楽に心と体はシフトしていく。

 

運転に集中しなくなっていく。

 

世界中のクルマメーカーが

自動運転化を加速させていく中で

日々起きている高齢者の痛ましい事故。

事故を起こされた方も

起こしたほうも、

その心境を慮ると

いたたまれなくなります。

 

自動運転の世の中にきっとなっていくのでしょうが、

なるんだったら

高齢者は一切頭を使わず

運転に関与しなくても

目的地にいける・・・。

そんな時代に、

ベールがはがれるように

一気に変わって欲しいと思ってしまいます。

 

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