昨日は台風が接近していたので
早めに東京に戻ることに。
10:30前に山小屋を出て、
高速道路嫌いな僕は
こんな日でも大月まで下の道を行くことにし、
その途中、
韮崎で用事を済ませて帰ろうとしたら
何となく腹が減ってきたので
サクっと食べられるものをと、
目に入った韮崎駅にあるそば屋に入りました。
いわゆる駅そばってやつです。
かけそばが290円。
大盛りも同じ値段。
うどん、黄そば(?)に変更可能。
天ぷらなどのトッピングも多数あり。
都市部にチェーン展開する
「小●そば」や「富●そば」とは一線を画しています。
おお、安くてちょうどいいや。
店に入ると
揚げ物のコーナーがあり、
皿に好きな揚げ物を取って行き、
レジでそばを注文する、
というシステムです。
入り口のパネルに
名物、山賊そば、とあって、
山賊って何だろうと思ったら
いわゆる鶏のから揚げのことのようです。
せっかくですので
この山賊(ハーフサイズ)と天ぷらを
かけそば大盛りのトッピングにすることにしました。
厨房はおばあさんが二人で切り盛りしています。
僕の前にいた人が
きつねそばを注文したら、
おばあさんA:
「きつねそば一つね。」
おばあさんB:
「きそばね。」
おばあさんA:
「きそばじゃないよ!きつねだよ。」
おばあさんB:
「きそばなんてないよ!」
おばあさんA:
「きそばじゃないよ!
き・つ・ね、だって!」
おばあさんB:
「ああ、きつねか。
そば?うどん?」
おばあさんA:
「そばだって!」
おばあさんB:
「ああ、きつねそば、ね。」
おばあさんA:
「きそばなんてないよ。」
おばあさんB:
「そりゃそうだよ。ガハハハハ。」
ってな具合ですので、
あせらずゆっくり待つことに。
それでも思いのほか早く
そば大盛りが出来上がってきました。
これで480円ですから、安い!
あれ?
山賊揚げハーフが100円、天ぷらが100円なので
かけそばは280円だったの?
おもての看板には290円ってあったけど・・・。
さて、そばはというと太く濃い色の田舎蕎麦です。
普通盛りで十分だった💦
味はというと、
そりゃ本格蕎麦屋と比べてはいけないのでしょう。
コシとか喉ごしとか歯ごたえとかを
期待してはいけません。
そばの風味とか言われてもわかりませんが、
でも山賊と天ぷらとを交互にほうばりながら、
柔らかい太麺をゾゾーッ、ゾゾーッとすすっていたら、
何とも言えない
”食ったぞ~!”感が
こみあげてきました。
ああ、駅のそばってこうじゃなくちゃ。
ちょうどお昼に差し掛かる頃で、
僕が食べ終わる頃に
続々人が入りはじめました。
電車が到着したのかもしれません。
お客さんみんなリュックを背負った登山客です。
下山した、というよりも、
これから登山、という雰囲気です。
エネルギーを簡単に注入するには
ちょうどいいそば屋です。
それとなく店内を見渡したら
「丸政の驛そば」
という案内看板が掲げられていました。
えきが「駅」ではなく「驛」とあるのに惹かれました。
見ると、昭和31年に小淵沢の驛で始まったとあります。
気になったのでスマホで検索したら
「丸政の驛そば」で出てきました。
どうやら駅弁や仕出し弁当なども手掛ける
株式会社丸政という会社がやっていて、
韮崎以外にも
小淵沢、富士見、長坂などの駅構内で
展開しているみたいです。
そういえば
八ケ岳×そば屋で検索をすると
後ろの方ではありますが、
小淵沢の駅や長坂の駅のそば屋が出てきます。
なるほど!
全部この丸政さんがやってたんですね。
駅のそばって
一杯のかけそばじゃないですが、
なんだか懐かしく
旅の寂寥感を埋めてくれるようで
妙においしく感じます。
電車を待つ間のほんのわずか、
コンビニのおにぎりじゃ味気ない。
ここは改札の外にあるので
途中下車する人や
クルマで来た人なんかも利用できます。
小腹が空いた旅の途中、
ワンコインを手に
そっと済ませたい一人飯を
あったかく迎えてくれる、
中央本線のこの辺でしか味わえない
驛そばです。