行けないと思うと
無性に行きたくなる八ヶ岳です。
今の季節は庭が日に日に
カラーになっていっているんだろうなあ・・・
なんて思いながら
昔の写真を見ていたら、
ブログに書こうと思ったけど
書き損じていた写真が出てきました。
清里のグラタン専門店「グラタンアミ」の写真です。
食べログなどでは常にトップに出てくる
有名店です。
清里が大ブームになっていた頃の
昭和61年に開業して、
ブームが去った今でもしっかり人気のレストランです。
なんといっても清里高原の牛乳を使って
ルウからつくるとろ~り濃厚な
ホワイトソースが絶品で、
きっとここで何人もの男どもが
レイヤーカットのanan女を落としたことでしょう。
そんなアミに
今の清里のように冬枯れした夫婦で、
今日は寒いからあったかいものでも食べようか・・・
と相成って、
この1月に行ったのです。
そのとき僕が頼んだカニグラタンと・・・
妻が頼んだ海老ドリアです。
二人でシェアして食べたのですが、
どちらもほほが落ちるほどおいしい!
評判どおりホワイトソースが絶品で
どうやったらこんなにおいしいソースになるんだろう?
あっというまになくなって
それでもお腹がまだ食べたいと騒ぐので
もう一つ頼む?
なんて話していた矢先のこと。
「あれ?これなんだろう?」
と言って
妻がモゴモゴと口の中から
何かを吐き出しました。
見ると小豆ぐらいの大きさの
銀色の金属の破片です。
「これ、ひょっとして調理道具の破片じゃない?」
もしもそうだったら危険です。
「お店の人に言おうよ・・・」
そう言ってお店の人を呼び、
こんなものが入っていましたよ、と伝えました。
お店の女性の方は焦ったように
すぐに確認します、といって
銀色の破片を厨房に持って行きました。
厨房の中から話し声が聞こえますが
何をしゃべっているかは聞き取れませんでした。
「ひょっとしてもう一つサービスとかで
もらえるかもね・・・」
なんて期待していたら、
間もなく女性がシェフを連れて
テーブルにやってきました。
そして言うには・・・
「あのう、これ、調理器具のかけらではないと思います。
うちではこういう破片がでるようなものは
使ってないので・・・」
いや、だって実際入っていたし・・・
そう言おうとしたら、
「これ、多分歯を治療したときの
詰め物じゃないでしょうか?」
と、まったく思いもよらぬことを言われましたので
思わず妻の顔を見たら、
妻が「あっ」と、小さな声を上げました。
そうしてしばし舌で左右の奥歯を撫でまわしたあと、
「ない!」と、大きな声を上げました。
「ええ~!じゃあこれ、お前の入れ歯?!」
するとお店の人たちはほっとして笑顔に。
「ええ~!まじかよ・・・
す、すみません!恥ずかしい!
入れ歯のかけらみたいです・・・」と、
もう二人で真っ赤になって平謝り。
「こんなに柔らかいもの食べてなんで入れ歯落ちるのよ?」
と言ったら、
「だっておいしかったんだもん」と妻。
いや、おいしくて落ちるのはほっぺでしょ!
年寄りだっておいしいからって入れ歯は落ちないでしょ!
そんな予期せぬ出来事で
結局お店の人と仲良くなって
「また来ます~。
今度はほっぺを落としますんで(笑)」
と言ってお店を出ました。
おいしさと恥ずかしさで体は見事にあったまりましたが、
これをタイムリーにブログにアップすると
食レポにならず、
上品なホワイトソースを台無しにしそうで
やめていたのです。
あれから3か月もたったので
もう時効でしょうか💦
あらためて言いますが、
本当にほっぺが落ちるほど
おいしいグラタンでした。
清里ブームだった青春時代の思い出が
濃厚にとろけだす、
東京などにはない絶品ご当地メニューです。
コロナが収束し、八ケ岳に行けるようになったら、
真っ先にまた行こうと思っています。