週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

一人暮らしを始めたい、と言い出した息子に思うこと。

東京での週末、

今日は久しぶりに僕の揚げ物料理。

チキンカツにエビフライ、

それにレタスとセロリのサラダ。

 

食事を開始し始めると

饒舌な息子が

いつもより饒舌に話し出した。

 

俺、できれば今年中に一人暮らししようと思うんだ。

 

息子は1年だけ海外に行っていた以外は

ずっと自宅で家族と一緒。

間もなく27歳になるが、

そのうち26年もこの東京の自宅にいることになる。

 

行って来ます。

ただいま。

 

その声を聞くと

こいつ、早く家を追い出して独り立ちさせんと・・・

と思っていたが、

その声を本人から発せられて

少し焦った。

 

あんたの安月給じゃ無理じゃん!

家を出たいなら早く借金返しなさいよ。

と妻はせせら笑う。

 

息子は留学で僕らに借金していて、

全額返すのにはあと2年はかかるだろうと踏んでいたのだが、

とっとと返すよ、

という妙な勢いを感じた。

 

嬉しさと同時に寂しさも一緒にやってきた。

早く家を出て欲しい、と思っていたけど、

本当はそうじゃなかったのかもしれない。

いや、ずっといて欲しいと思っていたからこそ

早く出て行って欲しいと思っていたのかもしれない。

 

うめえよ、と言いながら

僕の揚げ物に食らいついている息子。

間もなく、

行って来ます、と言って

帰ってこなくなる日が来るだろう。

戻ってきたいと思ったら

帰って来ていいんだぞ。

そのときはチキンじゃなくて

ヒレカツでもビーフカツでも揚げてやるよ。

 

そんなおっさんの複雑な気持ちを代弁するかのように

とらとこたがじっと息子の口元を見ていた。

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